なんと家ごと移動をしてしまうニュージーランドという国のお引越し事情

家ごと引越し私たち日本人の普通の感覚で引っ越しといった場合、いま住んでいる家を出て別の家にあらたに住むことを意味します。

いま住んでいる家の中の荷物をすべて運び出し、新居となる家に荷物を運び入れる行為を一般に「引っ越し」と呼んでいるわけです。

ところが、ニュージーランドでは、驚いたことに家ごと引っ越しをしてしまうケースがあるらしいのです。

私たち日本人の感覚からは想像できませんが、いったいどのようにして家ごと引っ越しをするのでしょうか?

家一軒をトレーラーに乗せてそのまま運びます!

家ごと引っ越しをするといっても、いったいどのようにするのか想像もできない人が多いと思いますが、普通にトレーラーに家を乗せて運んでしまうのです。

以下は実際の画像です。
トレーラーで家の移動

このような光景を日本国内で目の当たりにしたら、驚きのあまり腰を抜かしてしまいそうですが、ニュージーランドではごく普通の光景のようです。

この画像をみても明らかですが、家を積んだトレーラーは思いっきりセンターラインをはみ出していますし、先導をする車両なども見当たりません。

対向車がビビッて路肩に避難をしています。

しかも、積んだときのバランスが悪いのか、荷台の家が微妙に傾いているような感じがします。

日本でこんな大胆な方法で運搬をしたら、すぐにパトカーが飛んできそうですが、ニュージーランドというのは、なんともおおらかなお国柄なのかも知れません。

この画像では、家をまるまる1軒トレーラーに積んで移動していますが、大きな家の場合には、いくつかのパーツに分解をして運ぶこともあるようです。

日本の住宅メーカーなどでも、あらかじめ工場で組み立てた家のパーツを現地で合体させるプレハブ方式の工法を採用しているところがありますが、ニュージーランドの家もそれに近い工法で作られているのかも知れません。

日本古来の在来工法で柱や梁などが一体となった家だと、パーツごとに分けて運ぶというのは不可能です。

日本とは大きく異なる家に対する資産価値的な考え方

外国人の男女日本では土地の値段が高いために、古くなった家にはあまり資産価値がありません。

そのため不動産の売買をするときでも、へたに古い家が残っているよりも更地にして売った方が高く売れることが少なくないのです。

日本の住宅の平均寿命は諸外国とくらべて極端に短く、27年ほどだといわれています。

日本では25年~35年程度の住宅ローンを組んで家を建てるというのが一般的ですから、ローンが終わるとほぼ同時に壊されてしまっていることになります。

ところが、諸外国は日本にくらべて家の平均寿命が圧倒的に長いのです。

アメリカは103年ですし、フランスが86年、ドイツが79年、そしてイギリスにいたっては141年となっています。

ニュージーランドのデータが手元にありませんのでなんともいえませんが、ほぼこれらの国と同じ程度の寿命になるものと思われます。

日本では、借家に住んでいる人が一戸建てのマイホームを持ちたいと思ったときには、第一の選択肢は新築になります。

しかし、これらの国々では中古住宅を購入して、しっかりとメンテナンスしつつ住み続けるというのは、ごく普通の考え方なのです。

もちろん、これらの事実から日本の住宅の耐久性が低いと考えるのは間違いです。

日本ではメンテナンス(リフォーム)をしながら、長くすむという文化がないのと、土地の値段が高すぎるために、不動産を売買するタイミングで壊されてしまうというのが実情でしょう。

確かに、日本は湿気が高くて木造住宅には厳しい環境ではありますが、しっかりとメンテナンスをして住み続ければ、100年程度は問題ないといわれています。

寺院など、数百年も前の木造建築物が現存していることからも、それは事実であると思われます。

ニュージーランドでは、家そのものにしっかりとした資産価値があるからこそ、引っ越し先で新たに家を建てるのではなく、トレーラーに家ごと積んで引っ越しをしてしまうという荒業が行われているのでしょう。

住み慣れた愛着のある家に住み続けるという考え方

ニュージーランドでは、日本と違って家そのものに資産価値があるとはいえ、家を移動するためのコストもバカにならないことでしょう。

家ごと移動するとはいっても、新しく住む場所にはあらたに基礎をつくらなければなりませんし、大型のトレーラーであれだけ派手な運び方をすれば相当な運送料が発生するはずです。

運び方があまりにも大胆なので、遠くまで引っ越しをすることはないのでしょうが、それでも費用的には決して安くはないはずです。

日本国内であれば基礎と運搬賃で、余裕で1,000万円は超えてしまうに違いありません。

そこまで費用がかかるのであれば、日本人の感覚からすれば新しく買った土地に新たに家を建ててしまった方がいいような気がします。

ニュージーランドの人にしてみれば、これまで長い間住み続けてきた愛着のある家にずっと住み続けるということに、お金には代えられない価値観を見出しているのかも知れません。

このあたりは、何でもかんでも使い捨てがあたり前になってしまっている日本人には、理解しにくい感覚なのかも知れません。

日本でも家ごとの引っ越しが行われることがある!?

日本で家の移動は?ニュージーランドのように、家ごと引っ越しをするという光景は、日本ではまず見かけることはありませんが、まったくないわけではありません。

数十メートルから100m程度のごく短距離であれば、日本でも家ごと引っ越しをするということは実際に行われています。

たとえば、道路の拡張などにともない、いま住んでいる家を用意された代替地まで移動をするというパターンです。

もちろん、ニュージーランドのようにトレーラーに乗せてしまうわけではなく、曳家工法と呼ばれるやり方で家を引っ張っていくわけです。

こういったやり方で移動した場合、わずか数十メートルの移動であっても、費用的には1,000万円近くはかかってしまうようです。

日本人の感覚からすれば、建て直してしまった方がいいのではないかと思えるほどの金額ですが、お金を出してくれるのはあくまでも道路を作る自治体ですから、自分の希望通りにはなかなかいかないのでしょう。

なかには「新築にしてくれなければ立ち退きはしない」などとゴネる人もいそうですが。

日本国内で家ごとの長距離引っ越しは可能か?

ごく短い距離であれば、日本国内であっても家ごと移動することは十分に可能であることがお分かりいただけたかと思いますが、ある程度の距離がある引っ越しの場合はどうでしょうか?

結論からいうと、日本国内ではほぼ無理だと思います。

家を積んだトレーラーがセンターラインをオーバーした状態で走るためには、警察署にいって道路使用許可をもらわなければいけませんが、交通量のある道路の場合はまず認めてもらえないでしょう。

田舎で、しかも夜間などほとんど車が走っていない時間帯であれば、許可が下りる可能性もありますが、そもそもそんな田舎で大型トレーラーが走れるだけの道幅のある道路が確保できるところは少ないでしょう。

ニュージーランドのように全体的に道幅が広く、交通量もそれほど多くないというお国柄だからこそ可能になる引っ越し方法に違いありません。

また、日本では2階建ての家が多いですが、ニュージーランドの場合は平屋の家が多いようです。

土地の値段が高い日本では、平屋ではスペース効率が悪いのでもったいないと感じる人が多いのか、2階建ての家が非常に多くなっています。

しかし、広い土地が安く手に入るニュージーランドでは、そこにこだわる必要はないわけです。

仮に日本に交通量の少ない広い道路があったとしても、2階建ての家をそのままトレーラーに乗せて運ぶというのは困難であるに違いありません。

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