関東出身の人が関西に引っ越しをするときに注意すべきこととは?
引っ越しをするということは、これまで住んでいたところとまったく環境の異なるところに身を置くことになります。
特に関東で生まれ育った人が、初めて関西方面に引っ越しをするときには、少し身構えてしまうかも知れません。
関西で標準語を話すとバカにされるなどという噂もありますし、日常生活における決まり事なども、関東とはことなることが少なくありません。
ここでは、関東地方に生まれ育った人が関西方面に引っ越しをするときに、知っておくべきことについて書いてみたいと思います。
このページの目次
エスカレーターに乗るときの立つ位置が関東と関西では逆です
エスカレーターに乗るときには、急いでいる人のためにどちらか片方のスペースをあけるというのが暗黙のルールになっています。
そもそもエスカレーターを階段のように駆け上がったり駆け下りたりする行為は、危険を伴うわけですから、本来であればやってはいけない行為ということになるでしょう。
しかし、いつの間にかどちらか片方を空けるというのが、決まりごとのようになってしまったわけです。
その際に、右と左のどちらを空けるかが関東と関西では異なるのです。
関東では左側に寄って1列に並ぶのが暗黙のルールで、急ぎの人は右側を追い越していくことになります。
ところが、関西では全く反対になります。
つまり、右側によって1列にならぶのが暗黙のルールで、急ぎの人は左側を追い越していくわけです。
先ほども書きましたように、そもそもエスカレーターは歩くところではないので、本来であればそこまでして追い越す人に対して気を使う必要はないのだと思います。
しかし、残念ながら現状ではそれが暗黙のルールとなっているため、守らないとひんしゅくを買うことになってしまいます。
関西で賃貸物件を借りるときの「保証金」や「敷引き」とは?
関東地方で賃貸物件を借りるときには、敷金や礼金、仲介手数料、前家賃といった初期費用が発生します。
ところが、関西の不動産屋さんに物件を探しにいくと、聞きなれない言葉を耳にすることになると思います。
たとえば「保証金」や「敷引き」といった言葉です。
実は、「保証金」というのは、関東地方でいうところの「敷金」にあたり、「敷引き」というのは関東地方の「礼金」のことになります。
これらの用語を理解していないと、関西地方に物件を探しにいったときに戸惑ってしまうことになるでしょう。
ただし、最近では関西でも「敷金」や「礼金」といった、関東地方と同じ言い方をする不動産業者も多くなっているようです。
全国フランチャイズ形式の不動産会社が増えてきたことにより、そのあたりの表現については統一されつつあるのでしょう。
また、入居にあたっての初期費用も、関東にくらべて関西の方が高めのことが多いようです。
80年代のバブル景気の時代には、「保証金」が10ヶ月分などという物件もめずらしくありませんでしたが、さすがに現在ではそんな賃貸物件はないと思います。
消費者契約法が2001年に施行されて以降、「敷引き特約」が問題になったこともあり、関西地方の初期費用もかつてにくらべるとだいぶ抑えられるようになってきました。
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関東で使っていた家電品が関西で使えないこともあります
関東地方と関西地方では、電気の周波数がことなります。
関東地方は50Hzなのに対して、関西地方は60Hzになります。
そのため、これまで関東地方で使っていた家電品をそのまま関西地方に持って行っても使えないことがあります。
参考記事:関東から関西に引っ越しをするときに使えなくなる家電は?~周波数の違いに注意
特にモーターを使う電気器具は、周波数によって回転数が変わってしまうことがありますので、気をつけなければいけません。
たとえば、洗濯機や衣類乾燥機などです。
そういった家電品を、50Hzの関東から60Hzの関西に持って行って使うと、回転スピードが速くなってしまいますので、危険が伴うことがあります。
逆に、電気炊飯器やトースター、コンロ、こたつといった、ヒーターによって温めるタイプの家電品は、周波数の影響を受けませんのでそのまま使えることになります。
もし「これは関西に持って行っても使えるのか?」と不安になるような家電品がある場合は、メーカーに確認してみることをおススメします。
関西は薄味なので関東人の口には合わない?
一般に、関西の料理は薄味なの関東の人には合わないといわれます。
もちろん、その逆もまたしかりです。
たとえば、関東の人にとっては、うどんのスープは醤油の色をしているのがあたり前と考えます。
ところが関西にいくと、醤油の色をしたうどんのスープを見かけません。
関東で生まれ育った人にいわせれば、「関西のうどんはスープが薄くておいしくない」ということになり、関西の人にしてみれば「関東のうどんはしょっぱくて食べられない」ということになります。
カップ麺の「どん兵衛」が、関東と関西でスープが違うというのは有名な話です。
また、うどんのスープに関しては、味付けの違いによって色が違うだけで、塩分濃度はどちらもそれほど変わらないと主張する人もいます。
しかし、実際にあるテレビ番組で、大阪にあるうどん屋さんと東京にあるうどん屋さんのスープの塩分濃度を測ったら、東京のお店の方が2倍以上高かったそうです。
やはり、関西の方が薄味なのは間違いなさそうです。
これはどちらがいいかというよりも、生まれ育った時から慣れ親しんだ味覚に合うか合わないかの問題なので、ある意味では仕方のないことです。
引っ越しをして最初のうちは違和感を覚えるかも知れませんが、そこでしばらく生活をしているうちに徐々になれて行くと思います。
関西で標準語を話すと本当にバカにされるのか?
いまでは、地方にいっても方言で話す人の割合はどんどん減っています。
田舎に行ってもあきらかに地元の訛りでしゃべるのは、ある一定の年齢層の人たちだけで、若い人たちは標準語で話をすることが多くなっています。
ところが、関西だけは別です。
関西の人は、関西弁に誇りを持っているため、仕事の打ち合わせなどのオフィシャルな場でも会話も普通に関西弁で話たりします。
関西弁が日本の標準語だと思っている人もいるようです。
そのため、関東から引っ越しをした人が標準語で話をすると、バカにされるなどという話をときどき耳にすることがあります。
特に営業職の人などは、しゃべるのが仕事ですから、自分の口からでる言葉を気にしていたら、一気に営業成績も落ちてしまうかも知れません。
しかし実際のところ、関西で標準語を使ったからといって、そのことで特にバカにされたり差別をされたりということはないようです。
せいぜい「関西出身の人ではないんだな」と思われる程度です。
むしろ、関東出身の人が無理に関西弁をしゃべろうとする方が、違和感を覚えるようです。
本人はマネしてしゃべっているつもりでも、微妙にイントネーションなどがことなるからでしょう。
ですから、普通に気にせずに標準語を使って日常生活を送っても、何の問題もないといえます。
ただ、先ほども書きましたように、しゃべることが仕事である営業職の人は、関西弁特有の「ノリ」について行けずに、営業成績に影響する可能性がありますので、せめて雰囲気だけでも合わせる工夫はする必要があるかも知れません。
また、大人の場合にはそれほど問題なくても、子どもの場合には言葉の違いから「いじめ」につながらないか心配になる人もいるでしょう。
しかし、子どもというのは大人と違って、かなり順応性が高いです。
関西弁の集団のなかで生活をしていると、短期間で本格的な関西弁をマスターしてしまいますので、それほど心配する必要はないといえそうです。