生活保護を受けている人が近隣トラブルで引っ越しをしたいとき

古い住宅近隣とのトラブルなどが原因で、引っ越しを考えている人もいると思います。

引越し費用や新居の敷金や礼金などを自分で負担することのできる人であれば、特に問題なく引っ越しをすることができるでしょう。

しかし、生活保護の受給者ということであれば、話は簡単ではありません。

なぜなら、生活保護の受給者は、基本的に貯金をすることが禁止されているからです。

貯金がなく、支給されるお金も生活に必要な最低限の金額ということになれば、引っ越しをするための費用を工面することは困難だからです。

生活保護の受給者が何らかのトラブルに巻き込まれて、引っ越しをしたいときにはどうすればいいのでしょうか?


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集合住宅で発生しやすい近隣とのトラブル

集合住宅に住んでいると、意外に近隣とのトラブルが発生するものです。

特に2階以上のフロアーに住んでいる人が、階下の人にクレームをいわれることが多いようです。

上の階での生活に伴う物音というのは、思った以上に階下に響くからです。

クレームをいわれるだけならばまだしも、それがエスカレートして嫌がらせをされたり、最悪の場合には殺傷沙汰にまで発展してしまうこともあります。

近隣とのトラブルが深刻な状態になってしまうと、そこでの生活そのものが非常に苦痛を伴うことになります。

階下の住民に気を使って、物音を立てないように生活をしているうちに、身も心も疲れ果ててしまうに違いありません。

戸建ての持家の場合には、近隣トラブルを理由に転居をするというのは簡単ではありません。

その点、集合住宅であれば、そういったトラブルに対してはフットワークが非常に軽いといえます。

新たな借家を借りればいいだけのことだからです。

しかし、引っ越しをしたり新たなに借家を借りるためには、お金がかかります。

預金などの資産を持つことを禁止されている生活保護受給者の場合、そこが一番の問題点になるわけです。

生活保護受給者の引っ越しに対して、行政はどのようなサポートをしてくれるのでしょうか?

意外に厳しい生活保護受給者の転居が認められる条件

引越し条件の説明生活保護受給者の転居が認められるためには16の条件があります。

これらの条件に当てはまれば、行政が引っ越し費用や借家に入居するための諸費用を負担してくれます。

 1.入院していた受給者が、退院後に住む場所がない場合。
 2.現在の家賃が規定の上限を超えてしまっている場合。
 3.都市計画などのために、国や自治体からの土地収用などによって立ち退きを強制された場合。
 4.退職などにより社宅を出なくてはいけない場合。
 5.社会福祉施設から退所をしたあとに住む場所がない場合。
 6.宿所提供施設、無料低額宿泊所などを一時的に利用していた人が、一般的な居住生活が出来ると認められた場合。
 7.自宅が会社から遠距離の場所にあり、通勤が著しく困難だと判断された場合。
 8.火災などの災害によって家を失い、そこに住むことができなくなってしまった場合。
 9.住んでいるところが老朽化や破損などにより、住み続けることが困難であると判断された場合。
10.世帯の人数から考えて、現在の住居が著しく狭いと判断できる場合。
11.病気療養上著しく環境条件が悪いと認められる場合、または身体障害者がいる場合で家の構造が居住に適さないと判断された場合。
12.住む場所がないために、親戚や知人の家に一時的にみを寄せていたものが転居をする場合。
13.家主が相当の理由により立ち退きを要求してきた場合、または借家契約の更新を拒絶したり解約を申し入れしてきた場合。
14.離婚のために、新たな住居が必要になった場合。
15.高齢者や身体障害者などが扶養義務のあるものから日常的に介護を受けるために、扶養義務者の近隣に転居をする場合、またはお互いが生活保護受給者の場合であって、扶養義務者が高齢者や身体障害者の近隣に転居をする場合。
16.生活保護受給者の状態などを考慮したうえで、適切だと思われるグループホームや有料老人ホームなどの法定施設に入居する場合。

以上が、生活保護受給者の引っ越しが認められる16の条件となります。

意外に条件が厳しく、安易な理由では引っ越しをすることができないことがお分かりかと思います。

この16の条件を見る限りにおいては、単純に近隣とのトラブルを理由としての引っ越しは認めてくれそうにありません。

何かうまい方法はないものでしょうか?

生活保護受給者が近隣トラブルで引っ越すための方法

近隣トラブルで悩む老夫婦行政によって生活保護受給者の引っ越しが認められる16の条件をもう一度確認してみましょう。

この中で、近隣とのトラブルのある人の引っ越しが認められる可能性があるものとして、2番と11番が考えられます。



現在の家賃が規定の上限を超えてしまっている場合

もし、近隣のトラブルが原因で引っ越しをしたいと考えている人の家賃が、自治体で決められた上限を超えている場合には、行政に費用を負担してもらって転居をすることが可能です。

東京都の場合、1人暮らしの人の家賃が1級地の場合53,700円まで、2級地の場合45,000円まで、3級地の場合40,900円までとなっています。

これが2人暮らしとなると、1級地で64,000円、2級地で54,000円、3級地で49,000円となります。

もし、現在住んでいる借家の家賃がこの金額をオーバーしているということであれば、そもそも生活保護を受給しながら住み続けることができない物件ということになりますので、転居が必要になります。

多くの場合は、あえて受給者から申請をしなくても、ケースワーカーから指摘を受けて引っ越しをせざるを得なくなるはずです。

病気療養上著しく環境条件が悪いと認められる場合

それでは、現在の家賃が上限を超えていない場合はどうしたらいいでしょうか?

生活保護受給者の転居が認めらえる16の条件には、近隣とのトラブルという項目はありませんので、知恵を絞らなければなりません。

もし、近隣とのトラブルが原因で、ノイローゼになるとかうつ病を発症してしまったということであれば、11番の「病気療養上著しく環境条件が悪いと認められる場合」が該当する可能性が高いといえます。

お医者さんに診察をしてもらった結果、ノイローゼやうつ病を発症した原因となっている近隣トラブルを回避するために環境を変える必要があるとの診断が下されれば、行政に引っ越し費用や転居先の入居費用を負担してもらったうえで引っ越しができる可能性があります。

もちろん、最終的には自治体が協議をしたうえで判断を下すことになりますので、100%確実に引っ越しが出来るとは言い切れませんが、可能性があるのであれば遠慮せずにケースワーカーに相談してみるといいでしょう。

このように、近隣トラブルという直接的な理由で生活保護受給者が引っ越しをすることは困難ではありますが、そのことがきっかけで精神的な病を発症したということであれば、間接的に認められることもあるということを覚えておくといいでしょう。


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