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引っ越しをするときの建物は、必ずしも荷物の運搬がしやすいところばかりではありません。
玄関から荷物の出し入れをすることができずに、窓から搬入や搬出をしなければならなかったり、人力ではとても階段を上げ下ろしできないような重いものを運びだしたりしなければならない場合もあります。
そういったときのために、引越しの専門業者は専用の特殊車両を所有していることが多いのです。
実際に引越し業者は、どういった特殊な車両を所有しているのでしょうか?
マンションの5階程度まで届くスカイポーター
エレベーターのないマンションや、かりにエレベーターがあったとしても荷物の搬入や搬出に利用できなかったりするときに活躍するのが、スカイサポーターと呼ばれる特殊車両です。
スカイポーターは、消防車のように伸びる梯子の上をゴンドラが移動する仕組みになっており、そのゴンドラに荷物を載せて上げ下ろしをするわけです。
5階程度までのマンションであれば、このスカイポーターを利用することで、窓から荷物の搬出や搬入が可能になります。
人力で階段を使って上げ下ろしをするのにくらべて、労力もかかりませんし、荷物を破損させてしまう可能性も少なくなります。
エレベーターを使えない建物での荷物の上げ下ろしは、「縦持ち作業」と呼ばれており、作業員にとっては引っ越し作業のなかでも一番キツイ仕事です。
その一番きつい「縦持ち作業」を機械で行うことができるわけですから、スカイポーターは非常にありがたい特殊車両ということが言えるわけです。
ただし、スカイポーターを利用するにあたっては、車両が転倒しないようにアウトリガーという装置を張り出す必要があります。
そのため、敷地内に車両を設置するための、ある程度のスペースを確保する必要があります。
荷台の荷物を2階にあげられるリフトアップ(垂直ゲート)車
このリフトアップ車も、窓から荷物を搬入するときの力強い味方となってくれる特殊車両です。
よく、プロパンガスのボンベなどを積み下ろしするときに使う、パワーゲートと呼ばれる車両を見たことのある人も少なくないでしょう。
荷台の一番後ろにあるテールゲートが油圧で上下に動くことによって、荷台に積まれた荷物をそのテールゲートの上に載せることで楽に上げ下ろしすることができるわけです。
引っ越しのときに使うリフトアップ車というのは、このパワーゲート車に似た車両ですが、荷台の荷物をテールゲートで地面におろすのではなく、上にあげるわけです。
ただし、上にあげるといってもあくまでもトラックの荷台の屋根までとなりますので、2階の窓までしか対応できません。
その点がスカイポーターと大きく異なるところですが、トラックの荷台から荷物をおろすことなくそのまま上にあげることができるという点では、リフトアップ車の大きなメリットといえます。
また、スカイポーターのようにアウトリガーを設置する必要がありませんので、それほど広い敷地がなくても利用することが可能です。
重量物を上層階にあげるためのクレーン車
引っ越しに使うクレーン車は、一般に工事現場などで使うクレーン車と基本的に同じと考えていいでしょう。
スカイポーターやリフトアップ車の場合、どうしても搬入搬出をする荷物の大きさや重さが制限されてしまいます。
しかし、クレー車であれば、荷物をワイヤーで上から吊り上げることになりますので、大きなものや重量のある荷物であっても、問題なく搬入や搬出が可能になります。
たとえば、大型のベッドを4階や5階にある部屋まで運び入れたい場合などは、クレーン車を使う以外の選択肢はそれほどないといっていいでしょう。
ベッドは簡単に分解のできないものも多く、かといってそのままの状態では、小さなエレベーターなどには縦にしても入らないことが多いからです。
窓から搬出や搬入をするといっても、スカイポーターやリフトアップ車などでは、サイズ的にゴンドラやテールゲートに大型のベッドを乗せるというのは困難です。
また、クレーン車であれば、ピアノのような重量のある荷物であっても、搬入搬出が可能になります。
ピアノはアップライトであっても200kg以上の重さがありますから、クレーン車以外の特殊車両では持ち上げることはできません。
参考記事:ピアノの引越しをするときの料金の目安と注意すべきこと
ちなみに、引っ越しでクレーン車を使用する場合には、2万円~3万円の費用が見積もりに計上されるのが一般的です。
しかし、実際にクレーン車を使って行う作業をすべて人力でやった場合の人件費を考えると、むしろクレーン車を使った方がお得になる可能性が高いといえます。
ゴンドラの広い高所作業車であるスーパーデッキ
スーパーデッキは、スカイポーターに似たような形をした特殊車両です。
スカイポーターが伸ばした梯子の上をゴンドラが移動するのに対して、スーパーデッキはあくまでもゴンドラは固定されており、クレーンのようにブームを伸縮することでゴンドラを移動させます。
電気工事の人が電柱の仕事をするときに高所作業車を使っているのを見かけたことがあると思いますが、スーパーデッキも構造的はほぼあれと同じです。
電気工事などに使う高所作業車の場合、人間だけを乗せることを前提としてゴンドラが小ぶりに作られているのに対して、スーパーデッキの場合には、荷物を上げ下ろしすることが前提になっているのでかなり大きなゴンドラになっています。
また、スカイポーターが梯子の上をゴンドラが上下するだけで荷物の上げ下ろしをすることができるのに対して、スーパーデッキの場合には、いちいちブームを伸ばしたり縮めたりする必要があります。
そういった意味では、作業的にはスカイポーターを使った方が、効率がいいのかも知れません。
精密機器や美術品を運ぶためのエアサス空調車
一般の引っ越しではまず見かけることはありませんが、精密機器や美術品を運ぶときにエアサス空調車というものが使用されることがあります。
精密機器や美術品などを一般のトラックを使って運ぶ場合、走行中の振動の影響を受けて破損させてしまう可能性があります。
それに対して、エアーサスペンションの装着されている専用のトラックであれば、道路からの振動を吸収してくれるために、振動による影響を少なくすることができるわけです。
また、一般のトラックの荷台というのは、寒暖の影響をもろに受けてしまいます。
特に、夏場などは異常なほどの高温になることがあるために、精密機器や美術品などを運ぶのは非常にリスクが高いことになります。
ところが、空調機能を備えたエアサス空調車であれば、温度や湿度を最適に保った状態で運搬をすることができるので、安心なわけです。
クルマを転居先まで運ぶためのスーパーキャリア
引っ越しと同時にマイカーを転居先に持って行くという人も少なくないでしょう。
自分が運転して運んでもいいのですが、遠距離の引っ越しなどの場合にはなかなか大変です。
そういったときのために、転居先までクルマを運んでくれるサービスを提供している引越し業者もあります。
一般的には、キャリアカーと呼ばれる車両が使用されます。
よく荷台に何台もの乗用車を積んで走っているトラックを見かけると思いますが、あれがキャリアカーと呼ばれるものです。
引越し業者によっては、スーパーキャリアと呼ばれる車両を保有しているところもあります。
これは、外観的には普通の引っ越しに使うようなコンテナタイプのトラックと見分けがつきません。
しかし、その荷台のコンテナのなかに、クルマをすっぽりと積み込んでしまうのです。
スーパーキャリアには、地面まで下ろすことのできる車載プレートが搭載されているため、一般のキャリアカーのように、傾斜を登るようにしてクルマを積み込む必要はありません。
地面まで下りた車載プレートの上にクルマを乗せるだけで、油圧でプレートが動いてコンテナの中に格納をしてくれるのです。
そのため、車高の低いスポーツカーのような車でも、問題なく積み込むことができます。