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古い家であれば、仏壇がある家も多いことでしょう。
仏壇がある家から引っ越しをするときに気になるのが、その移動方法だけではなく、魂抜きなどのしきたりや作法ではないでしょうか。
他の家具や荷物のように、単純に傷をつけないように運べばいいというものではありません。
ここでは、引っ越しの際に仏壇をどのように扱って、転居先まで移動させたらいいのかについて解説をしてみたいと思います。
引っ越し前と後にお寺にお願いをして魂抜きや魂入れを行う
仏壇を一般の家具のように扱えない一番の理由としては、そこにご本尊様やご先祖様の魂が宿っているという考えがあるからです。
そのため、仏壇を引越しさせる場合には、事前に「魂抜き」をしてから移動をさせ、転居先で「魂入れ」をするのが作法だといわれています。
魂抜きは、宗派によっては「閉眼法要」や「お根性抜き」などと呼ばれたりもします。
また魂入れは同様に「開眼法要」や「お根性入れ」などともいわれます。
引っ越しをする前に僧侶に来てもらって「魂抜き」を行い、引っ越しが終わった後に転居先で「魂入れ」をしてもらうのが一般的です。
費用としては、交通費やお茶代、お布施として1万円~5万円程度をお支払いするのが一般的ですが、寺院や宗派によってかなりの幅がありますので、事前に檀家となっているお寺に確認をしておくといいでしょう。
「魂抜き」や「魂入れ」は引っ越し当日にやるのが理想的ですが、実際にはバタバタしてしまって当日にやるのは困難だと思います。
「魂抜き」は引っ越しの1週間前から前日までの間に行い、「魂入れは」転居の翌日から1週間後くらいの間に行えばいいと思います。
最近では、あえてこうした「魂抜き」や「魂入れ」をしないで仏壇を移動させてしまう人も少なくないようです。
仏壇を廃棄するわけではなく、あくまでも移動させるだけなので、「魂抜き」や「魂入れ」までは必要ないだろうという考え方です。
これは、あくまでも引っ越しをする本人の気持ちの問題ですので、やっておかないと不安だという人や信心深い人は、行っておいた方がいいでしょう。
仏壇には搬出や搬入のタイミングがあります
仏壇のない家の引っ越しの場合は、単純にスタッフの方が搬出や搬入がしやすい順番でトラックに積み込めばいいのですが、仏壇がある場合には「ある決まりごと」があるために作業効率重視でやるというわけにはいきません。
仏壇を運びだすときには、他の家具をすべてトラックに積み込んだあと、最後に運び出すというのが作法的に正しいやり方です。
そして転居先についたら、今度は他の家具をおろす前に仏壇を新しい家に運び入れて設置するわけです。
積み込むときに最後にトラックに乗せていますから、下ろすときには一番手前になっているはずなので、作業的に効率が悪くなるということはないはずです。
引越し業者によっては、こういった仏壇の搬出と搬入の作法を知らない場合もあるので、そういったときにはしっかりと指示をしてやることが大切です。
また、仏壇の中に入っている位牌や本尊などは、万が一の紛失などがあっては大変なので、必ず自分で運ぶようにしましょう。
一般の荷物が紛失してしまった場合には、引越し業者の保険を使って補償をしてもらうことも可能ですが、先祖の位牌はお金には代えられない貴重なものですので、自分自身で責任を持って運ぶようにしましょう。
引越し業者に支払う仏壇運搬費用はどれくらいになるのか?
仏壇といっても、小さなものから大きなものまで大きさはさまざまです。
大きい仏壇になると、重量的にもかなりの重さになりますので、料金が気になるところです。
仏壇のサイズや置かれている場所などによって大きく異なってきますが、よほど特殊な仏壇であったり、搬出や搬入がやりにくかったりといった事情がない限りは1万円~2万円程度が相場と考えていいでしょう。
意外に高くないと思った方も多いと思いますが、引っ越しのときに他の家具や荷物と一緒に運搬するからこの程度の安価な追加料金で済んでしまうわけです。
これが、別途で仏壇の専門業者に運搬を依頼すると、5万円~10万円の費用を請求されてしまいます。
よほど何かこだわりがない限りは、引越し業者にお願いをした方が費用的にはお得であるといえるでしょう。
引越し業者に事前に確認しておくべきこと
仏壇の運搬を伴う引っ越しをするにあたって、引越し業者に確認しておくべきことがいくつかあります。
まずは、引っ越しのときに仏壇を運んでもらえるどうかを確認しなければなりません。
なぜなら、引越し業者によっては、仏壇の運搬に対応していないところもあるからです。
もし対応していないということになれば、別の引越し業者を探すか、仏壇の運搬だけを専門の業者に依頼するしかありません。
また、仏壇の運搬を引き受けてくれる引越し業者であっても、あまり扱いに慣れていないところもあります。
「仏壇の運搬に慣れているかどうか」「仏壇をどのように梱包するのか」「仏壇の中の仏具などを転居先で元通りに戻してくれるのか」などについて、事前に質問をするようにしましょう。
こうした質問に対して、自信を持って返答ができる引越し業者であれば、お任せしても大丈夫だと思います。
もし、返答に躊躇するようであれば、別の業者をあたってみた方がいいかも知れません。
特に仏具の飾りつけに関しては、宗派によってやり方が異なりますので、引越し業者にそういった知識がないと正しく行うのは難しいと思います。
仮に、仏壇の引っ越しに慣れている業者に依頼する場合でも、念のために引っ越し前の仏壇の状態を写真に残しておくようにするといいでしょう。
仏壇を新居に持って行けないときはどうすべきか?
新たな引っ越し先が狭くて、仏壇を持っていけないケースもあるかも知れません。
そういった場合には、魂抜きをしたあとに仏壇を処分することになります。
仏壇を処分する方法としては、お寺や仏具店に引き取ってもらうというのが一般的です。
仏具店に処分を依頼した場合の費用は、2万円~8万円くらいが相場のようです。
魂抜きが済んでいれば、仏壇はただの箱と同じ扱いになりますので、粗大ごみとして処分することも可能です。
しかし、たとえただの箱とはいえ仏壇として使っていたものを粗大ごみとして出すのは、心理的に抵抗があるという人もいるに違いありません。
また、魂抜きをして粗大ごみとして処分するとしても、さすがに位牌もいっしょに処分するのは気が引ける人も多いと思います。
位牌に関しては、どうしても新居に持って行けないようであれば、お寺にお願いをして、「お焚き上げ」をしてもらうといいでしょう。
先祖代々の位牌をすべてお焚き上げしてしまうことに抵抗があるという人は、お寺にお願いしてすべての位牌を1つにまとめて新居に持って行く方法もあります。
位牌が1つだけであれば大きな仏壇は必要なく、厨子(ずし)と呼ばれる小さな箱に納めて部屋に置いておくことも可能です。
具体的なやり方は宗派によってことなりますので、お寺に相談してみるといいでしょう。