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転居先の物件を探す際には、少しでも好条件の物件を見つけたいと誰もが思うことでしょう。
そういった人の心理につけこんで、実際にはありもしない条件の物件をホームページなどに掲載して、客寄せとして使っている不動産業者が存在します。
そういった物件は、業界用語で「おとり物件」とか「釣り物件」などと呼ばれています。
お宝物件を見つけたと思って喜びいさんで電話をかけた人は「申し訳ございません。その物件はつい先日決まってしまいました」という不動産業者の言葉に、がっかりとさせられることになります。
そして、がっかりすると同時に、心の片隅に「やっぱりな」という思いが浮かぶに違いありません。
そんなあなたの心を見透かしたかのように、不動産業者は「その案件は決まってしまいましたが、同じようないい案件が他にもたくさんありますよ」とたたみかけてくることになります。
こうやって「おとり物件」を見て電話をかけた人は、悪質な不動産業者の術中にはまっていくことになるわけです。
なぜ「おとり物件」などというありもしない物件を紹介するのか?
不動産業者というのは、お客さんに来店をしてもらわなければお話になりません。
そのため、お客さんにお店にきてもらうためのきっかけが何か必要になってくるわけです。
おとり物件によってお客さんに電話をさせるということも、来店させるためのきっかけの1つといえるわけです。
とにかくお客さんを店に訪問させることさえできれば、おとり物件ほどではないにしても、それなりの似たような条件の物件はたくさんあるわけです。
かりに自分の店になかったとしても、最近の不動産業者は他社の物件を紹介して成約させることも可能です。
しかし、不動産業者にとってはお客さんの来店のきっかけを作ることになる「おとり物件」ですが、お客の側からすればいい迷惑です。
ひどい不動産業者になると、ホームページに掲載されている物件の過半数が「おとり物件」などということもあるようです。
そんな「おとり物件」だらけの悪徳不動産業者を見抜くための、何かいい方法はないものでしょうか?
周辺の物件相場と比較してありえないような好条件は疑ってみるべし
その地域の家賃相場というものは、ある程度決まっているものです。
何か特別な事情でもない限りは、相場からかけ離れた好条件の物件というのはそうそうないものです。
もしその地域の相場と比較をして、どう考えても条件が良すぎると思えるような物件を紹介していた場合は、おとり物件の可能性が高いといえます。
もし、おとり物件でないとすれば、事故物件の可能性があります。
事故物件というのは、自殺や殺人、孤独死といった形で、普通ではないような状態で人が亡くなったような物件のことをいいます。
ありえないほど好条件であるにもかかわらず、不動産業者に問い合わせをしたときに「申し訳ございません。その物件はつい先日決まってしまいました」というおとり物件特有のセリフが返ってこなかった場合は、事故物件の可能性があると思ったほうがいいでしょう。
参考記事:あなたの引越し先が事故物件の可能性も?~知られざる物件ロンダリングの事実
物件の取引様態をみて判断することもできます
不動産取引をするにあたっては、大家とどのような関係になるのかを提示しなければなりません。
これは宅建業法で必ず提示しなければならないと決められているわけですが、実はこの取引様態をみることで、おとり物件の可能性のあるものとないものを見分けることが可能です。
この取引様態は「貸主」「代理」「仲介元付」「仲介客付(仲介先物)」といった形で提示をされています。
「貸主」というのは文字通り大家さんのことで、仲介ではなく大家さんが直接紹介をしている物件ということになります。
「代理」というのは、大家の代理として入居者を募集したり契約手続きをしたりする取引様態をいいます。
物件を管理している不動産業者が募集をしたりする場合が一般的です。
「仲介元付」というのは、大家さんから直接物件の仲介を依頼されている立場の不動産業者のことをいいます。
先ほどの「代理」の場合には、入居者は物件を管理している不動産業者などと契約をすることになりますが、仲介の場合にはあくまでも入居者の紹介のみで、契約そのものは直接大家さんと行うことになります。
「仲介客付(仲介先物)」といのは、「仲介元付」の不動産業者に入居者を紹介する取引様態のことをいいます。
つまり、この取引様態の場合は、大家さんと入居者の間に「仲介元付」と「仲介客付(仲介先物)」の2つの業者が介在することになります。
「仲介客付(仲介先物)」の業者は、大家さんと直接やり取りをしない分、広く浅く多くの物件を紹介することができます。
実は、おとり物件の紹介をしているのは、「仲介客付(仲介先物)」の立場で入居者募集をしている不動産業者が多いのです。
「仲介元付」の場合は大家さんと直接取引をすることになりますので、不当表示をすると大家さんとの信頼関係を損ねることになってしまいます。
しかし、大家さんと直接かかわっていない「仲介客付(仲介先物)」の不動産業者は、平気でおとり物件を紹介したりするわけです。
逆にいえば、取引様態が「貸主」「代理」「仲介元付」となっている物件であれば、おとり物件である可能性は低いといえます。
来店しないと詳細は教えられない物件とは?
相場にくらべてあきらかに条件の良い物件を見つけて電話をすると「申し訳ございません。その物件はつい先日決まってしまいました」というセリフが返ってくることで、おとり物件であることが判明します。
おとり物件であることが分かっても、そのセリフのあとに続く「でも、同じようないい物件が他にもたくさんありますよ」という業者のトークにつられて、店を訪問することになってしまったりするわけです。
つまり、敵の作戦にまんまとハマってしまうことになるわけです。
ただ、問い合わせをした物件が「おとり物件」であると分かった途端に電話を切ってしまうお客さんも少なくないので、不動産業者はさらに知恵を絞るわけです。
「電話では詳しいことを説明できませんので、一度来店してもらえますか?」といったセリフで、強引に来店させてしまう不動産業者もいます。
わざわざ来店までさせたうえで、「申し訳ございません。私の勘違いでその物件はつい先日決まってしまっていたようです。他にもいい物件はたくさんありますよ」などと言うセリフをぬけぬけと吐くわけですから、本当に悪質です。
不動産業者から「電話では詳しいことを説明できませんので、一度来店してもらえますか?」というセリフを言われたら、「現地待ち合わせで、そのまま内見できますか?」と聞いてみてください。
不動産業者がそれを拒否するようであれば、おとり物件の可能性が高いと考えられますので、その業者とはかかわり合わない方がいいでしょう。
参考記事:引っ越し先の物件を探すときに注意すべき不動産業者のセールストーク
定期借家という形のおとり物件に注意をしましょう
「おとり物件」の多くは、架空の物件であることが多いのですが、なかには実際にその条件で契約が可能な物件もあるのです。
それが「定期借家」という形式による「おとり物件」です。
賃貸物件というのは、2年契約になっているのが普通で、更新をすることでその後もそこに長く住むことも可能です。
ところが「定期借家」の場合は、契約期間が満了すると更新ができません。
しかも、おとり物件として利用される定期借家は、契約期間が3ヶ月などと非常に短いことが多いものです。
物件案内には一応「定期借家3ヶ月」と書いてありますが、備考欄に小さく書いてあったりするだけなので、気がつかない人も多いわけです。
そこで、内見をさせてもらおうと来店したときに「3ヶ月の定期借家」であることを知らされるわけです。
3ヶ月後に追い出される賃貸物件と契約する人などまずいませんから、仕方なしに別の物件を紹介してもらう流れになります。
「おとり物件」によって強引に来店させる悪徳不動産業者の手口はますます巧妙になっていますので、十分に注意をしなければいけません。