引っ越し先が新築物件だからといって素直に安心できない理由

綺麗なリビング
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どうせ引っ越しをするなら、なるべく「新築」とか「築浅」といった新しい物件を選びたいと考えている人も少なくないでしょう。

「新築」というのは、建てられてから1年未満の物件で、これまで誰もそこに住んだことのない物件のことを指します。

「築浅」というのは、特に明確な基準があるわけではありませんが、多くの不動産業者は築5年以内の物件をそう呼んでいるようです。

新しくてきれいな部屋に引っ越しをすることは、誰でもすがすがしい気持ちになれるものです。

しかし、新築の場合には注意をしなければならないことがあります。

特に3月に完成したばかりの物件には気をつけなければいけません。

いったいそれはなぜでしょうか?

不動産屋の繁忙期に合わせて完成させることで生じる不具合

3月のカレンダーと桜の花びら賃貸物件を扱う不動産業者の繁忙期というのは、基本的には引越し業者と同じと考えていいでしょう。

転勤や入学などにより、3月に引っ越しをする人が多くなるため、それに伴い新たな部屋を探すために不動産業者を訪問する人も増えることになります。

特に新築の物件は人気があるため、不動産業者としてはなんとかして繁忙期である3月までに完成させたいと思っているはずです。

完成が引っ越しのピークを過ぎてしまって、せっかくの新築物件に空室ができてしまったのではもったいないことになります。

また、工事を請け負った業者にしても、会社の決算が3月であることが多く、工事が完成しないことには売り上げに計上できないという事情があります。

そういった不動産業者や施工業者の都合により、実際の工程が多少遅れていても、なんとか3月までに完成させてしまおうとすることが多くなるのです。

もともと余裕を持った工期で建築を始めた物件であっても、3月の完成を目指している物件の数が多いために、資材や作業員の人数が不足してしまい、工期が間に合わなくなってしまうこともあるのです。

手抜きやミスによって起こる新築物件のトラブル

建築中の新築物件短期間で完成させる工事は、いわゆる突貫工事と呼ばれており、どうしても不具合や欠陥などが出てきてしまう可能性が高くなってしまうのです。

工事を請け負った業者が時間を短縮するために手抜きをすることもありますし、疲労のたまった作業員が単純なミスをしてしまうということもあります。

よく行われる手抜きとしては、コンクリートの中に入れる鉄筋の数を減らしてしまうといったものです。

鉄筋の数が少なければ、それだけ強度が弱くなりますから、耐震性能などにも問題が出てきてしまい、安心して暮らすことができなくなります。

また、突貫工事で建てられた物件は、給排水菅から水漏れがするといったトラブルもよく発生するようです。

ひどい例になると、空調のダクトを設置し忘れるという、信じられないような施工ミスを起こすこともあるようです。

時間のない中で作業することにより、どうしても手抜きやヒューマンエラーというものが起こってしまうわけです。

本来であれば、そういった手抜きやミスがないように、施主や請負業者の現場監督などがしっかりと管理をしなければならないのですが、時間に追われてつい見逃してしまうこともあるのでしょう。

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参考記事:漏水トラブルのある物件に引っ越しをしてしまうと大変なことになります

突貫工事で建てられた物件かどうかを知るには?

もちろん、3月に完成した物件が突貫工事で建てられた物件ばかりとは限りません。

十分に余裕を持った工期で、しっかりと建てられた物件も、もちろんたくさんあります。

それでは、突貫で建てられた物件なのか、余裕を持って建てられた物件なのかは、どのように見分ければいいのでしょうか?

これは、単純に不動産業者に聞くしかありません。

マンションを建築するときの工期は、小規模マンションの場合でフロアーあたり1ヵ月~1ヵ月半、中規模のマンションの場合でフロアーあたり2ヵ月程度は最低でもかかるといわれています。

つまり、5階建てのマンションであれば、最低でも半年~10ヵ月程度はかかることになります。

もし5階建てのマンションであるにもかかわらず、4ヵ月程度の工期で完成させてしまった物件であることが分かった場合は、突貫工事を行った可能性があるので、契約をしない方が無難かも知れません。

8月完成の物件も突貫工事の可能性がある?

内装の途中の物件突貫工事によって建てられた可能性のある物件は、3月完成の物件ばかりとは限りません。

実は8月完成の物件も、工期が厳しくなってしまって突貫工事になってしまうことがあるようです。

6月~7月は梅雨の時期となりますので、雨で現場の作業がなかなか進まないことがあります。

また、8月にはお盆休みがあるために、実際の労働日数はだいぶ短くなってしまいます。

さらに、暑さのために作業員の仕事をするペースもどうしても遅くなってしまいます。

それらの理由により、どうしても工程が遅れがちになって、最後は突貫工事となってしまうことが少なくないのです。

9月は引越し業者の第2繁忙期などと言われ、企業の上半期と下半期の変わり目のために引っ越しをする人が多くなります。

そのタイミングを狙って、なんとか8月の完成を目指す物件が多くなるわけです。

仮に、工期が9月だったとしても、その時期は梅雨の時期と同様に雨が多く、台風なども発生することが多いために、工程が遅れてしまうことが多くなります。

引越し業者が嫌がる新築マンションへの一斉入居

マンション前に引越しトラック新築物件へ引っ越しをするときの、突貫工事によるリスクについて書いてきましたが、それ以外にも新築物件にはさまざまな問題が発生することがあります。

実は、新築マンションの一斉入居というのは、引越し業者がもっともやりたくない仕事の1つといわれています。

想像してもらえば分かると思いますが、同時に何組もの家族が引っ越してくるわけですから、エントランス周りには無数の荷物がならべられ、エレベーターの順番待ちの人が列をなすことになります。

参考記事:新築マンションの一斉入居で注意すべき引っ越しのポイント

つまり、引越し業者にしてみれば、新築マンションの一斉入居は思うように仕事がはかどらずに、非常に作業効率が悪いことになります。

ましてや、3月などの引越し業者が1年で一番忙しい時期に、新築マンションの一斉入居の仕事を依頼されたら、丁重にお断りしたくなってしまう業者も多いに違いありません。

この時期に新築のマンションに引っ越しをする予定の人は、まず引越し業者探しで苦労をするということを認識しておく必要があります。

新築だとお隣さんがどんな人なのかが事前に分からない

お隣さんすでに人が住んでいる新築以外の物件であれば、そこにどんな人が住んでいるのかを事前に調べるのは不可能ではありません。

不動産業者や管理人、近所の人などに聞けば、トラブルメーカー的な人が住んでいないかどうかはだいたい分かります。

ところが新築物件の場合には、隣近所にどのような人が引っ越して来るのかまったく分かりません。

運が悪いと、ちょっとしたことにでもクレームを入れてくるような人と、隣り合わせの部屋で生活をすることになるかも知れません。

こればかりは運まかせとなりますので、事前に対策をするということは不可能です。

ただ新築とはいっても賃貸物件であれば、最悪の場合は引っ越しをし直すということもできます。

これが新築の分譲マンションだったりすると、その後の人生はかなり憂鬱なものとなってしまうかも知れません。