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引越し業者の苦手な仕事の1つに、離婚が原因の引越しがあります。
離婚をするということは、別居をすることになりますから、どちらかが引っ越しをしなければなりません。
しかし、離婚をする夫婦というのは基本的に仲が悪いですから、引っ越し当日にさまざまなトラブルが起きやすいのです。
ここでは、離婚による引っ越しの現場でどのようなことが起こるのかについて解説しています。
なぜ引越し業者が離婚のお客様を苦手にしているのかがよく分かると思います。
また、離婚の引っ越しにおいて、なるべくトラブルを避けるにはどうしたらいいかについても解説をしています。
離婚の引越しでは運び出す荷物が分からない!
離婚の場合、夫婦のうちどちらか一方が家を出て行くパターンが多いと思います。
一般的な引っ越しのように家の中にある荷物をすべて運びだすというわけではありません。
そのため、運び出す荷物と残しておく荷物を明確にしておいてもらわないと、引越し業者は非常に困ることになるわけです。
基本的には、家を出て行く方の人に何を運び出すのかを確認しながら作業を進めることになりますが、これが一筋縄ではいかないのです。
もともと一つの家にあって一緒に使っていた家具や家電の一部を持ち出すわけですから、お互いが自分のものであることを主張するケースも少なくないのです。
しかも、離婚する夫婦はお互いにまったく口を利かない状態になっていることも少なくないので、まともなコミュニケーションがとれません。
引越し業者が間にたって、お互いの主張を聞くことになるわけですが、まず話がスムーズに進むことはありません。
場合によっては、その場で夫婦喧嘩が始まってしまうこともあります。
家具や家電を半分に切って分けるわけには行きませんから、引越し業者にとっては本当に頭が痛いことになってしまうわけです。
結婚後に購入したものは基本的に共有財産です
2人が結婚をしたあとに購入した家電や家具などは、法的には共有財産という扱いになります。
妻が家を出て行くときに「おれの給料で買ったものだから家にあるものは全部おいて行け」などと暴言を吐く男性もいるようですが、それはあきらかに間違いということになります。
たとえ妻が専業主婦であったとしても、夫が会社からもらってきた給料そのものが共有財産になるわけですから、夫側の身勝手な主張は通用しません。
本来であれば、離婚調停のときに調停委員を通じて、別居にあたってどの家財を残してどの家財を持って行くのかを明確にしておく必要があります。
そして、そのときに持ち出すと決めた家財だけを事前にマーキングしておき、引越し業者が一目で分かるようにしておけば、比較的スムーズに引っ越し作業ができることになります。
基本的には自分が使用していたものを持ち出す
もし、離婚調停のときに持ち出す家具や家電を明確にしておかなかった場合には、基本的にはこれまで自分がずっと使ってきたものを持って行くことになります。
結婚にあたって自分で購入して持ってきたものなどは、それを持ち出すことで揉めることはまずないでしょう。
また、スマホなどの個人で使っているものも、そのまま持って行くことには何の問題もないはずです。
ただし、契約上、相方の口座から料金が引き落とされるようになっている場合は、変更をしなくてはなりません。
洋服や下着、靴といったものも、当然ながらそのまま持ち出してしまって問題はないはずです。
むしろ、そういった物を残していかれても相手は困ってしまうことでしょう。
また、タンスなども自分専用で使っていたものであれば、それを持ち出すことで揉めることはないでしょう。
車も、よほど資産価値のある高級車に乗っているということでなければ、いま乗っているものをそのまま乗り継ぐ分には揉めることはないと思います。
ただし、まだローンが残っている場合は、残りの分は自分がしっかりと支払っていく必要があります。
これまで自分が使っていたものであっても、それが相手からプレゼントされた高級ブランドのバッグなどの場合はどうすべきか気になるところですが、プレゼントというのは基本的に贈与と考えられますから、法的には返す必要はないといえます。
離婚でもめることが予想される家族で使っていた家具や家電品
これまで自分で使っていたものは、そのまま持ち出してしまって問題ないはずですが、判断に困るのがこれまで共同で使っていたものです。
たとえば、冷蔵庫や洗濯機、テレビ、電子レンジといった、一家に一台しかない家電品です。
これらの家電品は一世帯分しかありませんが、これからお互いが別々の世帯で生活をすることになるわけですから、どちらの世帯でそれらを使うのか揉める可能性が高くなります。
特に、まだ買ったばかりで新しい家電品などであれば、お互いに譲れなくなってしまうかもしれません。
ただし、相手に対して強烈な憎悪感をいだいているような場合は、共同で使ったものは見たくもないし触りたくもないという人もいるようなので、そのような場合にはまったく揉めることはないでしょう。
子どもとの思い出の品なども揉める可能性がありますが、ビデオや写真であればダビングや焼き増しをすることで対応が可能になると思います。
ただしそういったことを話し合う余地がないほど冷戦状態になってしまっている場合には、お互いが権利を主張して揉めることになるかも知れません。
引っ越し費用をどちらが払うのかでひと悶着?
引越し業者に連絡をしてくるのは、ほとんどが出て行く方の人になります。
しかし、離婚が原因による引っ越しの場合、必ずしも連絡をしてくれた人がお金を払ってくれるとは限らないのが、引越し業者にとって頭の痛いところです。
専業主婦であった妻から「私は仕事をしていないのでお金がありませんから、全部むこうに請求してください」などと言われることもあるわけです。
「お前が勝手に出て行くための費用を何でおれが出さなくちゃならないんだ」などと、相手が反論してくることは容易に想像できます。
このようなことがあるために、引越し業者としても前金で引っ越し費用を受け取るまでは、安心して作業に取り掛かることができないことになります。
こういった引っ越しにかかる費用や、別居後に住むことになる賃貸物件の契約に関する費用なども、どちらが負担をすべきかを離婚調停のときにしっかりと決めておくことが重要といえます。
むしろ相方がいない場合の方が引っ越しはスムーズにいきます
離婚に伴う引っ越しで、夫婦が2人そろってその場にいる場合には、引越し業者は板挟みになって苦労をすることになります。
しかし、立会人がどちらか片方しかいない場合には、一方の指示だけを聞いていればいいことになりますので、引越し業者にしてみればだいぶ気が楽になるはずです。
あとは、その立ち会いをしている本人が、費用を支払ってさえくれれば何も問題はありません。
ただ、引っ越しをしている途中に相方が帰ってきてしまったりすると、修羅場になる可能性があるため、注意が必要ということになります。
夫によるDVなどが原因で離婚をする場合、引っ越しといってもほぼ夜逃げのようなものですから、荷物を運び終えるまではハラハラドキドキ状態になるわけです。
参考記事:大きな声では言えませんが夜逃げ対応の引越し業者も存在します
大抵は、夫が職場に行っている時間帯に行うことが多いので、夜逃げというよりはむしろ「昼逃げ」というべきですね。
こういった引っ越しの場合は、家財も大物を運んでいたのでは時間がかかってしまうので、必要最小限の小物だけを運び出すことが多いものです。
そのため、軽トラック1台済んでしまうことも多いようです。