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毎年春になると、たくさんの新入学生たちが引っ越しをして1人暮らしをスタートさせることになります。
引っ越しをするときには、役所の窓口に出向いて転入転出届を出すのが普通です。
しかし、学生の場合には、そのまま卒業まで住民票を移さないでおき、就職が決まった時点で移すというケースも少なくないようです。
法的には、住所を変更したときには14日以内に届け出なければいけないことになっていますが、学生の場合には問題ないのでしょうか?
また、学生が引っ越しにあたって住民票を移さないでおくことのメリットはあるのでしょうか?
関連記事:学生の引越しが安くなる学割パック
住民票の移動は引っ越しのあと14日以内に行う必要があります
引っ越しをしたときには、住民票の移動(転入届・転出届)をする必要があります。
これは、「住民基本台帳法第22条」に引っ越しをした日から14日以内に住民票の移動をしなければならないと定められているからです。
もし、これを守らないと住民基本台帳法違反ということになり、最大で5万円の過料が科せられる可能性があります。
とはいえ、実際には届け出が多少遅れた程度で過料を科せられるということはなく、役所の窓口で小言を言われる程度で済むはずです。
だからといって住民票の移動をしなくていいということではありません。
住民票を移動しないと生活をする上で何かと困ることも多くなりますし、それが長期間となればさすがに過料を科せられる可能性もでてきます。
引っ越しをしたら、忘れずに住民票の移動をするようにしなければなりません。
参考:住所移転に伴う住民票の異動に係る周知チラシ – 総務省
学生の1人暮らしの場合は住民票の移動はしなくてもいい?
引っ越しをした日から14日以内に行う必要のある住民票の移動ですが、学生の1人暮らしの場合には住所は実家に残したままという人が少なくありません。
原則的には、たとえ学生であったとしても、実際に住む場所を移動したわけですから住民票の移動は必要になるはずです。
しかし、実家に住民票をおいたままの学生が、過料を科せられたという話は耳にしたことがありません。
在学中4年間ずっと実家に住民票をおいたままにしているわけですから、かなりの長期間ということになります。
実は、学生の場合はあくまでも生活の拠点は実家であり、引っ越し先はあくまでも通学のための一時的な住まいと判断されることが多いのです。
年末年始や夏休みなどに実家に帰ったり、多くの荷物が実家に残ったままになっていたりする場合には、そのような解釈がされるようです。
そのため、あえて在学中は住民票の移動をしない学生も多いのです。
参考:住民票を移さない大学生 法的に問題ありか弁護士に聞いてみた
住民票を実家から移さないことで何か問題はあるか?
住民票の移動をしないままで、1人暮らしをしている学生も少なくないわけですが、そのことで特に何かメリットがあるというわけではないようです。
ただ単に手続きが面倒くさいと思って、そのままにしてしまうことが多いようです。
唯一のメリットとしては、成人式の案内が地元の自治体から届くといったことくらいでしょうか?
それに対して、住民票を移さないことによる問題点は少なからずあります。
健康保険証や国民年金などの書類が実家に届く
健康保険や国民年金などの書類は、住民票のある住所に届くことになります。
そのため、住民票を移さずに1人暮らしをしている学生の場合は、それらの書類がすべて実家に届くということになります。
もちろん、そういったものが頻繁に届くわけではありませんから、実家から転送をしてもらったり、実家に帰ったタイミングで受け取ったりするなどすれば特に問題になることはないでしょう。
運転免許証の試験を受けたり更新をしたりするのは実家近くの会場
学生のうちに運転免許証を取得しておこうと考える人は多いでしょう。
教習所は全国どこの教習所であっても通うことができますが、運転免許の試験そのものは住民票の置かれている地域で受けなければなりません。
また、免許証を取得したあとに、更新する場合なども同様です。
1人暮らしといっても、実家にすぐに帰省できるような比較的近い場所に住んでいるのであれば、それほど問題ではありません。
しかし、実家が北海道や九州などで、現在住んでいるところが都内であったりすると、試験や更新のためだけにそれなりの移動時間や交通費をかけることになってしまいます。
パスポートの申請が面倒になります
大学生ともなると、バイトでお金をためて海外旅行に行くなどということもあるでしょう。
海外に行くためにはパスポートを発行してもらわなくてはなりませんが、住民票を実家に残したままだと少々不便を感じることになるでしょう。
パスポートの申請そのものはどの地域でもできますが、申請に必要な住民票や戸籍謄本などは住民票をおいてある自治体に発行してもらうしかありません。
住民票や戸籍謄本は、同一世帯の人であれば委任状なしで取得できますから、親などに代わりに取得してもらうことは可能です。
しかし、それを転送してもらわなくてはならないので、少々面倒になります。
また、パスポートの受領に必要なハガキなども実家に届くことになりますので、それも転送してもらわなくてはなりません。
近くの図書館などが利用できない可能性もあります
学生であれば、何か調べ物をするために図書館を利用することもあるかも知れません。
しかし、図書館によってはその地域に住んでいないと利用できないこともあるようです。
貸し出しカードを作る際に、住民票や運転免許証、保険証、パスポートなどの身分証明書が必要になったりしますが、住民票の移動をしていない場合は、それらの住所はすべて実家になっているはずです。
ただ、図書館によっては、住民票の移動をしていなくても、その地域に住んでいればOKというケースもあります。
その場合は、あなたの住んでいる住所が記載された水道料金や電気料金の請求書・領収書など提出することで、利用をすることができるようです。
また、貸し出しサービスを利用しないで、図書館のなかで調べ物をするだけならば、誰でも利用できるのが普通です。
選挙の投票用紙が実家に届くことになります
2016年6月19日以降は、18歳から選挙権があたえられることになりましたので、大学に入学したばかりの学生であっても選挙権があることになります。
しかし、選挙というのは住民票のある場所で投票することになりますので、どうしても投票したいということであれば、そのたびにわざわざ帰省しなければならないことになります。
たまたま帰省したタイミングで不在者投票ができれば問題ありませんが、そうでない場合は、よほど政治に興味のある人以外は棄権という選択をすることになってしまうでしょう。
実家が遠方の場合は住民票の移動をした方が無難
住民票を移すのが面倒だという理由で実家に残したままにする1人暮らしの学生も多いようですが、これまで紹介しましたようにそれなりにデメリットもあります。
現在住んでいる場所が実家から近い人であればそのままでもいいと思いますが、実家が遠方の人は住民票の移動を行った方がよさそうな気がします。
面倒くさいといっても、実家がある地域の役所に行って転出届を書いて、引っ越し先の役所で転入届を出すだけですから、大した手間ではありません。
ただし、幼なじみたちと成人式に参加したいと考えている人は、住民票の移動をためらってしまうかもしれません。
市区町村によっては、住民票を移してしまった人の参加を一切みとめないというところもあるからです。
転出届をだすときに「こちらの地域で成人式に参加することは可能ですか?」と聞いてみるといいでしょう。
意外にOKを出してくれる地域も少なくないようです。
まとめ
今回の記事では、子どもが引っ越しする際の住民票の取り扱いについて説明しました。
住民票を移さない場合のメリットとデメリットを確認し、個々の状況に合わせて住民票の移動をするかどうかを決めていきましょう!
近々引っ越しを検討している場合は、是非参考にしてみてくださいね。