生活保護を受けている人が近隣トラブルで引っ越しをしたいとき

生活保護受給者が引越しをしたいとき
生活保護受給者の中には、近隣とのトラブルなどが原因で、引っ越しをしたいと思っている人もいることでしょう。

しかし、生活保護受給者が引っ越しをするというのは、なかなか簡単にはいかないとういのが実情です。

引越し費用や新居の敷金や礼金などを自分で負担することのできる一般の人であれば、まったく問題ありません。

ところが生活保護の受給者の場合、基本的に貯金をすることが禁止されていますので、これらの費用を工面することができないからです。

そのため、生活保護受給者が引っ越しをするときには、行政に引っ越し費用や借家に入居するための諸費用を負担してもらう必要があります。

ただ、そのための条件というのは、なかなか厳しいものだったりします。

生活保護の受給者が何らかのトラブルに巻き込まれて、引っ越しをしたいときにはどうすればいいのでしょうか?

集合住宅で発生しやすい近隣とのトラブル

生活保護受給者が住む集合住宅集合住宅に住んでいると、意外に近隣とのトラブルが発生するものです。

特に2階以上のフロアーに住んでいる人が、階下の人にクレームをいわれることが多いようです。

上の階での生活に伴う物音というのは、思った以上に階下に響くからです。

クレームをいわれるだけならばまだしも、それがエスカレートして嫌がらせをされたり、最悪の場合には殺傷沙汰にまで発展してしまうこともあります。

近隣とのトラブルが深刻な状態になってしまうと、そこでの生活そのものが非常に苦痛を伴うことになります。

階下の住民に気を使って、物音を立てないように生活をしているうちに、身も心も疲れ果ててしまうに違いありません。

戸建ての持家の場合には、近隣トラブルを理由に転居をするというのは簡単ではありません。

その点、集合住宅であれば、そういったトラブルに対してはフットワークが非常に軽いといえます。

新たな借家を借りればいいだけのことだからです。

しかし、引っ越しをしたり新たなに借家を借りるためには、お金がかかります。

預金などの資産を持つことを禁止されている生活保護受給者の場合、そこが一番の問題点になるわけです。

生活保護受給者の引っ越しに対して、行政はどのようなサポートをしてくれるのでしょうか?

意外に厳しい生活保護受給者の引っ越しが認められる条件

引越し条件の説明生活保護受給者の転居が認められるためにいくつかの条件があります。

これらの条件に当てはまれば、行政が引っ越し費用や借家に入居するための諸費用を負担してくれます。

ケアマネ業務のための生活保護Q&Aの中にある「生活保護受給中に引っ越しが認められるのは、どのような場合ですか」というこ項目では、以下の17の条件が生活保護受給者の引っ越しが認められる条件としてあげられています。

1.入院患者が退院する際に住むための住居がない場合

2.家賃が規定の上限額を超えているなど、福祉事務所の指導により低額のところに転居する場合

3.国や自治体から土地収用法、都市計画法などにより立退きを強制され、転居を必要とする場合

4.仕事を退職したことにより社宅等から転居する場合

5.社会福祉施設等から対処する場合に、帰る住居がない場合(施設に入所する目的を達成した場合に限る)

6.宿所提供施設、無料低額宿泊所等を一時的な住む場所として利用している場合で、居宅生活ができると認められる場合

7.現在の居住地が就労先から遠距離にあり、通勤が著しく困難な場合で、転居することが、世帯の収入の増加、働いている人の健康の維持等、その世帯の自立助長に特に効果的に役立つと認められる場合

8.火災等の災害により、現住居が消滅し、または、居住できない状態になったと認められる場合

9.老朽または破損により居住することができない状態になったと認められる場合

10.世帯の人員に対してその住居が著しく狭い、または劣悪で居住困難と認められる場合

11.病気療養上著しく環境条件が悪いと認められる場合、または身体障害者がいる場合であって設備構造が居住に適さないと認められる場合

12.住居が確保できないため。親戚、知人宅等に一時的に寄宿していた者が転居する場合

13.家主が相当の理由をもって立ち退きを要求し、または借家契約の更新の拒絶もしくは解約の申し入れを行ったことにより、やむを得ず転居する場合

14.離婚(事実婚解消も含む)により、新たに住居を必要とする場合

15.高齢者、身体障害者等が扶養義務者の日常的介護を受けるため、扶養義務者の近隣に居住する場合。または、双方が生活保護受給者であって、扶養義務者が日常的介護のために高齢者、身体障害者等の住居の近隣に転居する場合

16.生活保護受給者の状態を考慮のうえ、適切な法定施設(グループホームや有料老人ホーム等、社会福祉各法に規定されている施設をいう)に入居する場合であって、やむを得ない場合

17.犯罪等の被害、または同一世帯に属する者から暴力を受け、生命および身体の安全確保を図る必要がある場合

引用:生活保護受給者が転居を認められるのはどのような場合か

これらの17条件のうちのどれかに当てはまれば、生活保護受給中の方であっても、引っ越しをすることが認められる可能性が高くなります。

意外に条件が厳しく、安易な理由では引っ越しをすることができないことがお分かりかと思います。

この17の条件を見る限りにおいては、単純に近隣とのトラブルを理由としての引っ越しは認めてくれそうにありません。

何かうまい方法はないものでしょうか?

生活保護受給者が近隣トラブルで引っ越すための方法

近隣トラブルで悩む老夫婦行政によって生活保護受給者の引っ越しが認められる17の条件をもう一度確認してみましょう。

この中で、近隣とのトラブルのある人の引っ越しが認められる可能性があるものとして、2番の「現在の家賃が規定の上限を超えてしまっている場合」と11番の「病気療養上著しく環境条件が悪いと認められる場合、または身体障害者がいる場合で家の構造が居住に適さないと判断された場合」が考えられます。

現在の家賃が規定の上限を超えてしまっている場合

もし、近隣のトラブルが原因で引っ越しをしたいと考えている人の家賃が、自治体で決められた上限を超えている場合には、行政に費用を負担してもらって転居をすることが可能です。

東京都の場合、1人暮らしの人の家賃が1級地の場合53,700円まで、2級地の場合45,000円まで、3級地の場合40,900円までとなっています。

これが2人暮らしとなると、1級地で64,000円、2級地で54,000円、3級地で49,000円となります。

もし、現在住んでいる借家の家賃がこの金額をオーバーしているということであれば、そもそも生活保護を受給しながら住み続けることができない物件ということになりますので、転居が必要になります。

多くの場合は、あえて受給者から申請をしなくても、ケースワーカーから指摘を受けて引っ越しをせざるを得なくなるはずです。

病気療養上著しく環境条件が悪いと認められる場合

それでは、現在の家賃が上限を超えていない場合はどうしたらいいでしょうか?

生活保護受給者の転居が認めらえる16の条件には、近隣とのトラブルという項目はありませんので、知恵を絞らなければなりません。

もし、近隣とのトラブルが原因で、ノイローゼになるとかうつ病を発症してしまったということであれば、11番の「病気療養上著しく環境条件が悪いと認められる場合」が該当する可能性が高いといえます。

お医者さんに診察をしてもらった結果、ノイローゼやうつ病を発症した原因となっている近隣トラブルを回避するために環境を変える必要があるとの診断が下されれば、行政に引っ越し費用や転居先の入居費用を負担してもらったうえで引っ越しができる可能性があります。

もちろん、最終的には自治体が協議をしたうえで判断を下すことになりますので、100%確実に引っ越しが出来るとは言い切れませんが、可能性があるのであれば遠慮せずにケースワーカーに相談してみるといいでしょう。

このように、近隣トラブルという直接的な理由で生活保護受給者が引っ越しをすることは困難ではありますが、そのことがきっかけで精神的な病を発症したということであれば、間接的に認められることもあるということを覚えておくといいでしょう。

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