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引っ越しというのは、ずいぶん前から準備を進めて当日の作業をむかえることになるのが一般的です。
しかし、世の中は何が起こるか分かりません。
万全で準備を進めていたにもかかわらず、引越し当日になって急用ができてしまうこともあるかも知れません。
突然の病気や身内の不幸などはまったく予想ができませんので、引っ越し当日にそういったことが起こってしまう可能性はあるわけです。
ここでは、引越し当日に急用ができてしまったときの、引越し業者への対応などについて考えてみたいと思います。
引越し業者をキャンセルして仕切り直しをする
引越し当日に急用ができてしまったときの対応として、まっさきに頭に浮かぶのが引越し業者をキャンセルすることでしょう。
せっかくスケジュールを組んでもらった引越し業者には申し訳ないですが、事情を話して納得してもらうしかありません。
もちろん、突然のキャンセルで業者に迷惑をかけてしまうわけですから、キャンセル料が発生してしまうのは仕方のないところです。
しかし、引越し業者のキャンセル料は、思ったほど高くありません。
国土交通省が定めた標準引越運送約款によると、前日のキャンセルで見積もり金額の30%、当日のキャンセルで50%の支払い義務が発生することになっています。
つまり、業者と契約した際の金額が10万円であれば、前日で3万円、当日で5万円がキャンセル料を支払わなければならないということです。
また、引越し業者によっては、標準引越運送約款に定められたルールを守らずに「全額支払え」などと無理難題をふっかけてくることもあるので注意が必要です。
多くの良心的な引越し業者は、見積もりを提出するときに、家財チェックリストなどといっしょに標準引越運送約款もセットで渡されることが多いので、万が一のときのために必ず確認をしておくようにしましょう。
関連記事:引越しのキャンセルで業者とトラブルにならないために
どうしてもその日に引っ越しをしなくてはならない場合
当日の引っ越しをキャンセルして、後日に仕切り直しできれば一番いいのですが、必ずしもそれが可能とは限りません。
たとえば、いま住んでいる賃貸物件の契約がその日までになっていた場合です。
もちろん、自分が出て行った翌日にすぐに別の人が入居してくるというケースは少ないと思いますが、不動産屋さんに迷惑をかけてしまうことは確かですし、余分な家賃がかかってしまう可能性も高いといえます。
また、電気やガスなども、その日までで止めてもらう契約になっていることも多いでしょう。
そういったことを考えた場合、簡単にキャンセルをして後日仕切り直しをするということができない場合も多そうです。
引越し業者にすべておまかせしてしまう
どうしても引っ越しを先延ばしできない場合には、立会人なしで業者にすべてをお任せするという選択肢もあります。
いま住んでいるところの部屋の鍵と、転居先の部屋の鍵を引越し業者に渡しておいて、すべて業者の判断で荷物の移動をしてもらうわけです。
このやり方がうまくいくかどうかは、事前の準備をどれだけしっかりとやっているかにかかってきます。
ダンボールの中に何が入っているのかをしっかりとマーキングしておき、それを転居先のどの部屋に運ぶのかをレイアウト図に書き込んであれば、あとはそのレイアウト図を引越し業者に渡すだけで問題なく荷物の移動をしてくれることでしょう。
関連記事:レイアウト図を作成しておくと引越しの作業がスムーズに行きます
もし、こういったレイアウト図がない状態で引越し業者にお任せしてしまった場合、彼らにはどの荷物をどの部屋に運んだらいいのかということがまったく分かりませんので、適当に搬入しやすい部屋にどんどん荷物を入れて帰ってしまうことでしょう。
もし、本来2階に運ぶべき荷物がすべて1階に置かれたままになっていたりすると、あとでそれを自分で2階に上げるというのは大変な作業になります。
家具などの破損や盗難被害にあう可能性もあります
立会いなしで引越し業者に荷物を運んでもらう場合に問題となることは、それ以外にもたくさんあります。
引越し業者は荷物を運搬するプロではありますが、作業中にうっかりと家具や建物の壁などを傷つけてしまうこともあります。
本来であれば、搬出前の家具などの状態を引越し業者といっしょに確認をしたうえで荷物を運び出し、転居先に搬入が終わったあとで再び傷などがないかをいっしょに確認するのが一般的です。
もしこの立会いによる確認によって、作業中にできたと思われる傷や破損が明らかになれば、業者の加入している保険により補償をしてもらうことができます。
しかし、当日の立ち合いができずにすべて引越し業者にお任せしてしまった場合、こういった作業前と作業後の確認ができないことになります。
明らかに作業中に引越し業者がつけたと思われるような傷や破損などがあとから見つかっても「最初からそうなっていました」といわれてしまうと、証拠がないために泣き寝入りをしなければならなくなってしまいます。
もう一点、引越し業者にお任せする場合に気をつけなければいけないのが、盗難の問題です。
貴重品などは事前に分けておいて自分で管理をしたとしても、その他の荷物に関しては誰もみていないところで作業員が運ぶことになるわけです。
たとえば、家族の引越しで3LDKくらいの広さの場合、ダンボールの数は100個程度になることも少なくありません。
しっかりとダンボールにマーキングをしたうえでリストを作って管理をしておかないと、ダンボールが2~3個なくなっても全く気がつかないということも起こり得るわけです。
友人や知人に当日の立ち合いをお願いする
引越し当日に急用ができてしまったにもかかわらず、事情によりキャンセルで仕切り直しができずに、すべてを引越し業者にお任せしてしまうというのは、さまざまな不都合やリスクがあることがお分かりになったかと思います。
どうしてもその日に引っ越しをしなければならないけれども、引越し業者にすべてお任せするのは不安だという人は、友人や知人などに立ち合いをお願いするという方法があります。
立会人がいるだけで、業者による盗難などの可能性は低くなりますし、万が一家具などを破損したとしても、立会人がしっかりとそれを見ていれば業者は言い逃れできないことになります。
ただ、立会人といっても他人の家の引っ越しの内容をその人が十分に把握しているわけではありませんから、自分が立ち会ったときのような結果を期待してはいけません。
うっかり家具などの破損を見逃してしまうこともあるかも知れませんが、そのことで立会人をお願いした人を責めないようにしましょう。
代理でお願いする立会人は「いないよりはいた方がまし」程度の気持ちでお願いをするようにしたほうがいいでしょう。