転校を伴う引っ越しをするときに知っておきたいこと~手続き・子どもへの影響


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会社から転勤の辞令が出てしまったときに悩むのが、家族で引っ越しをするのか単身赴任をするのかという点だと思います。

子どもがまだ就学前で小さい場合には、奥さんの仕事の都合さえつけば家族で引っ越しをすることに問題はないでしょう。

しかし、子どもが学校に通うようになると、転勤に伴う家族での引っ越しを躊躇してしまうという人も多いことでしょう。

さまざまな手続きをしなければなりませんし、子どもの置かれた環境をなるべく変えたくないと考える親も多いことでしょう。

ここでは、転校を伴う家族での引っ越しについて考えてみたいと思います。

転校というのは子どもにとって思った以上のストレスになります

周りに知っている人が誰もいない組織のなかに身を置くことになるという経験は、長い人生の中では必ず何度か経験することになります。

たとえば、就職や転職のときです。

顔見知りの人が誰もいないという環境のなかで、新たな生活をスタートさせなければいけません。

しかし、同じような状況ではあっても、大人と子どもではその受け止め方は大きく異なるはずです。

精神的にも未熟な子供たちにとって、知らない人ばかりの環境に身を置かなければならないというのは、相当なストレスになるに違いありません。

社交的な性格の子どもであればそれほど心配する必要はないかも知れませんが、内気で人見知りをするような子どもの場合だと、環境に慣れるまでしばらく時間がかかることでしょう。

どうしても新しい環境になじめずに、不登校になってしまう子どももいるようです。

問題になるのは、それだけではありません。

これまでと通う学校が違うことになれば、さまざまなルールや勉強の進捗なども変わってしまいます。

いじめにあう女子中学生また、都会から地方に転校したりするケースだと、子どもたちの言葉に地元の訛りが混じっていたりして、コミュニケーションがうまくいかないということもあるかも知れません。

そういった環境でうっかりと標準語を話したりすると、「なに気取ってるんだよ!」とバカにされたり、最悪の場合にはいじめにつながったりします。

こういったさまざまな環境の変化に対して、精神的に未熟な子供たちが乗り切っていくというのは容易ではありませんし、かなりのストレスにもなることでしょう。

また、子どもたちにとっては、小さい頃から慣れ親しんだ友達との別れも辛いものがあるでしょう。

こういった、転校にともなうさまざまな影響を考えたときに、あえて単身赴任を選択するという人も少なくないのだと思います。

単身赴任をしてあとから合流するケースもあります

子どもへの影響を考えて、とりあえず単身赴任をしておいて、タイミングを見計らって家族が合流をするというケースもあるようです。

たとえば、子どもが小学校や中学校を卒業して、上の学校に上がるタイミングで残された家族が引っ越しをするというものです。

ただし、この場合であっても、小学校から中学校に上がるタイミングだと、あまり意味がないかも知れません。

なぜなら、これまで一緒に小学校で過ごしてきた同級生たちは、そのまま地元の中学校にスライドする形で進学するのが一般的だからです。

中学校を卒業して高校に上がるタイミングであれば、これまで小学校と中学校を一緒に過ごしてきた同級生たちは、それぞれ別々の高校に進学することになります。

そういった意味では、子どもの環境が大きく変わるタイミングといえますので、単身赴任をしている父親のもとに引っ越しをして合流をするというのは「あり」かも知れません。

ただ、高校の場合には入試がありますので、父親が単身赴任をしている地域の高校を受験するとなると、それはそれでなかなか面倒なことになるに違いありません。

このように、先に単身赴任をしておいて、あとから残された家族が合流するという方法も、必ずしもベストな選択とはならない可能性もあるわけです。

単身赴任者の割合は年々増えているようです

単身赴任のお父さんサラリーマンの転勤というと、かつては家族で引っ越しをするケースが多かったのですが、近年は単身赴任を選択する家族がどんどん増えているようです。

そのことは、引越し業者が単身パックといった商品に力を入れていることからも判断できます。

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単身赴任が増えている理由としては、もちろん転校による子どもへの影響を考慮する親が増えているということもありますが、それと同時に共働き世帯が増えているということも大きな要因になっていると思います。

夫の転勤のために家族全員で引っ越しをするとなると、妻は今の職場を捨てなければならなくなります。

ある程度の年齢になると、転居先で新たな仕事を見つけるというのは容易ではなくなるため、夫の都合だけでいっしょに引っ越しはできないと考える女性も多くなっているわけです。

転校をするときに行わなければならないさまざまな手続き

転校をともなう家族での引っ越しを決意したら、早めにさまざまな手続きを済ませておかなければなりません。

転校するまでの手続きの流れを、簡単に説明してみたいと思います。

転勤が決まって家族全員で引っ越しすることを決めたら、具体的な転居先の住所が決まっていなくても、とりあえず学校にはそのことを伝えておくようにしましょう。

最低でも、実際に引っ越しをする1ヵ月前までには、担任の先生につたえておくべきです。

その後に転居先の住所がわかった時点で、学校におもむいて「在学証明書」と「教科書給付証明書」を発行してもらいます。

それと同時に、引っ越し14日前から当日までの間に役所に行って、「転出証明書」を発行してもらいます。(同じ市区町村の転校の場合は必要ありません)

そして、引っ越しが終わったら、14日以内に転居先の役所に行って、「在学証明書」と「転出証明書」を提示して、「転入学通知書」を発行してもらいます。

同時に、転校する学校にあらかじめ連絡をしておき、転入手続きの日取りなどを決めておきます。

約束をした日に新しい学校におもむき、「在学証明書」「教科書給付証明書」「転入学通知書」の3つの書類を提出して転入手続きをすすめます。

あとは、実際に通学するまでに必要になる学校用品などを、そろえておくようにしましょう。

転校の手続きをするにあたっては、書類に不備や不足があったりすると、もとの役所まで行って手続きをしなければならなくなってしまうこともありますので、ミスのないように慎重に準備を進めるようにしましょう。

高校生の転校は単純にはいかないことが多いようです

高校生の転校公立の小学校や中学校の転校であれば、手続きさえしっかりと行っていれば特に問題になることはありません。

ところが、高校生が転校するとなると、簡単にはいかないことがあります。

公立の小学校や中学校はもともと入試というものがありませし、義務教育ですから基本的にはどのような子どもであっても受け入れ可能です。

しかし、高校の場合には学力差の問題がありますので、無条件で転校を受け入れてくれるということはありません。

高校が転校を認めてくれるケースというのは、基本的に欠員が生じたときの「欠員募集」のときになります。

あくまでも欠員募集ですから、つねに受け入れをしているわけではありません。

また、高校というのは義務教育ではありませんので、「欠員募集」であっても誰もが無条件で転校できるわけではありません。

ほとんどの高校は、欠員募集で転校生を受け入れる際に、国語、数学、英語の学力テストと面接があります。

そのため、現在通っている高校よりも偏差値の高い高校に転校するというのは困難になります。