最近の引越し業者は、単身での利用者の獲得に力を入れているようです。
単身パックという言葉をよく耳にするようになりましたが、単身パックというのは、もともとは日通の単身者むけサービスの商品名です。
各社同じようなサービスを提供していますが、利用者にとっては言葉のゴロがよく覚えやすいために、日通以外の業者のサービスであっても「単身パック」と表現してしまうことが多いようです。
ここでは、日通の単身パックを含めて、各社の単身者向けの引越しサービスを比較してみたいと思います。
1. 日通の単身パックのサービスの特徴と料金
日通の単身パックは、学生や一人暮らしのサラリーマンなどがリーズナブルに利用することが出来るように提供されているサービスになります。
日通の単身パックには、荷物の量に応じでSとLの2種類のサービスがあるのが特徴です。
また、単身パックならではのさまざまな独自の割引特典などもありますので、具体的にみていくようにしましょう。
1-1. SとLの2種類のプランと内容や料金の違い
日通の単身パックには、荷物の量に応じてSとLの2種類のサービスがあります。
実際にSとLで利用できる荷物の量や料金を比較してみましょう。
1-1-1. Sで運べる実際の荷物の量
Sの場合は、横幅108cm、奥行き74cm、高さが155cmのコンテナに収まる量の荷物の場合に利用することが出来ます。
具体的な荷物の量としては以下のような感じです。
●小型の冷蔵庫1台(100リットル程度)
●液晶テレビ(20インチ程度の小型のもの)
●電子レンジ
●掃除機
●中型の段ボール4個程度
●フトン一式
●小型の収納ボックス
学生やサラリーマンの短期間の単身赴任などであれば、必要最低限のものは運べるイメージです。
もう少し荷物が多い場合には、コンテナを2つに増やす(料金は2倍になります)か、コンテナのサイズが大きい単身パックLの方を利用するといいでしょう。
ちなみに、Sの場合の料金はWEB申込みの割引を適用した場合には16,200円からと、非常にリーズナブルになっています。
もちろん、料金は距離によって変わりますので、実際にかかる料金は見積もりをもらってみないことにはわかりません。
目安としては、東京と大阪間の引越しでWEB申込みによる割引を利用した場合には、22,000円ほどになるようです。
1-1-2. Lでも料金にそれほど大きな違いはない
次にLの方を見ていきましょう。
こちらはSにくらべて、コンテナのサイズが一回り大きくなっています。
Lのコンテナサイズは、横幅108cm、奥行き104cm、高さが175cmとなっています。
横幅はSの場合と同サイズですが、奥行きが30cm、高さが20cm大きくなっています。
このコンテナに積める荷物の目安としては、Sの時の荷物にプラスして、洗濯機が1台、と中型の段ボールが1つ、衣装ケースが1箱余分に運べるイメージです。
コンテナの奥行きが深くなった分、冷蔵庫と洗濯機を同時に運べるようになるのがLのメリットです。
料金もSとくらべて大きく変わることはありません。
Sの料金がWEB申込み割引利用で16,200円からでしたが、Lの場合同じ条件で17,280円からとなります。
税込みで1,080円の違いで、洗濯機が運べるメリットは大きいですね。
単身であっても少し荷物が多めの人は単身パックLを利用したほうがいいかも知れません。
参考記事:日通の引越しサービスを利用する前に知っておきたいこと
1-2. さまざまな割引特典もあります
日通の単身パックには、さまざまな特典も用意されています。
それでなくてもリーズナブルな単身パックを、さらに安く利用することが可能です。
1-2-1. インターネットからの申し込みでお得に
1つめの割引はWEB割引と呼ばれるもので、インターネットからの申し込みで1件あたり2,160円安くなるというものです。
これは、パソコンだけはなくスマホなどからの申し込みでも適用になりますので、ぜひ利用したいものですね。
1-2-2. 複数のボックスを依頼するときの割引
次に、複数ボックス割引という特典です。
コンテナの数を追加した場合でも、1つのコンテナにつき1,080円が割引になるというものです。
1つのコンテナに荷物が収まりきらなくて2つ利用したい場合には、さらにお得になるということになります。
1-2-3. エリアや集荷をする日によっては割引に
最後は、エリア割引と呼ばれるものです。
これは、エリアや集荷日などによっては、さらに1,080円割引になるというサービスです。
こちらは、日通のホームページにエリアキャンペーンの情報が掲載されていますので、自分のエリアが適用になるかどうか、そちらで確認してみるといいでしょう。
1-3. 料金が割り増しになるケースもあります
日通の単身パックは、Sが16,200円から、Lが17,280円からとリーズナブルなのが特徴ですが、条件によっては料金が割り増しになる場合もありますので、注意をしておきましょう。
18時~21時までの深夜配達や土日祝日の配達は、コンテナ1つあたり2,160円割り増しになります。
土日祝日でなおかつ深夜の配達ということになりますと、この2つを合算した4,320円が割り増し料金として加算されます。
また、引越し業者が1年で一番忙しい時期である3月20日から4月5日までの期間で集荷や配達を依頼した場合も、コンテナ1つあたり2,160円割り増しとなります。
1-4. 日通単身パックのその他の特徴と注意点
日通の単身パックは非常に魅力的なサービスですが、依頼する際に注意しなければならない点があります。
1-4-1. 荷造りは自分で行わなければなりません
単身パックの場合、荷物の箱詰めなどは依頼者が自分で行わなければならなりません。
あくまでも業者がやるのは、荷造りされたコンテナを運ぶだけになります。
もし、当日になって荷造りに不備があることが原因で、積み込みに時間がかかってしまったり、日通の人に手伝ってもらったりした場合などには、追加料金が発生しますので注意が必要です。
1-4-2. 段ボールなどは自分で事前に用意をする
また、段ボールなども自分で用意をしなければなりません。
どうしても用意をするのが難しい方は、日通の方で用意されている資材セットというものを利用してみるといいでしょう。
セット内容としましては、Sサイズの段ボールが4個、Mサイズの段ボールが6個、クラフトテープが1個、布団袋が1袋になります。
このセット一式の料金は、3,024円となります。
1-4-3. 配達の時間指定をすることが可能
日通の単身パックの特徴としては、荷物の配達時間を指定できるという点です。
これはまさに宅配便と同じイメージですね。
家族に対応してもらうことの出来ない一人暮らしの人にとってはうれしいサービスです。
指定時間は、基本的に宅配便と同じと考えてもらっていいでしょう。
午前:9時~12時、午後:12時~16時・16時から18時・18時から21時が、それぞれ指定できます。
ただし、先にも書きましたように、18時から21時を指定しますと、深夜割増としてコンテナ1つあたり2,160円が加算されますので、注意をしましょう。
以下のような一括見積もりを利用することで、引越し費用が最大で50%も安くなることがあります。
2. クロネコヤマトの単身引越しサービス
日通の単身パックと同様に、クロネコヤマトにもお一人様向けの単身引越さサービスというものがあります。
日通の単身パックとは具体的にどこが違うのかなど、サービスや料金について詳しくみていきましょう。
2-1. 荷物の量に応じて2つのサービス
日通の単身パックにはSとLの2つのサービスがありましたが、クロネコヤマトにも普通の単身引越サービスとminiタイプと呼ばれる少量向けのタイプがあります。
これらの2つのタイプにはどのような違いがあるのでしょうか?
2-1-1. 単身引越サービスの一般タイプの概要
一般の単身引越サービスの場合のボックスのサイズを見てみましょう。
幅104cm、奥行き104cm、高さが170cmとなっています。
これは日通の単身パックのLタイプのサイズ(横幅108cm、奥行き104cm、高さが175cm)とほぼ同じサイズです。
容積になおすと、クロネコヤマトが1.83㎥、日通が1.97㎥となり、日通の方が若干広いことになります。
しかし、運ぶことの出来る荷物の量的にはほぼ同じ程度と考えていいでしょう。
料金は、関東エリアの場合で同一市区内なら17,000円(税別)となっています。
関東以外の地区であれば、14,000円(税別)となっていますので、かなりリーズナブルであるといえます。
当然ながら、荷物を運搬する距離に応じて料金は変わってきます。
たとえば、東京から神奈川の場合ですと21,000円(税別)の料金が発生します。
ちなみに、日通の単身パックでLタイプの場合の料金は、18,000円(税別)からとなっています。
各種割引サービス等を考慮しないで単純に比較した場合、同一市区内での最低料金に関してはクロネコヤマトの方が若干安いようです。
2-1-2. miniタイプだとどこが違うのか
次に単身引越サービスのminiタイプについてみていきましょう。
こちらの場合のボックスのサイズは、幅104cm、奥行き104cm、高さ130cmとなります。
miniタイプの場合、高さが30cm低いボックスを利用することになります。
ちなみに、日通の単身パックのSタイプのサイズが横幅108cm、奥行き74cm、高さが155cmとなります。
奥行きはクロネコヤマトの方が30cmほど広く、高さに関しては日通のSタイプの方が25cm高いことになります。
容積を計算してみますと、クロネコヤマトが1.4㎥、日通が1.24㎥となり、クロネコヤマトの方が若干広いことになります。
クロネコヤマトの単身引越サービスminiタイプの料金ですが、同一市区内で見た場合、関東エリアが16,000円(税抜き)、それ以外に地域が13,000円となっています。
同一市区以外の場合は、その距離に応じて料金はプラスされていきます。
たとえば東京から神奈川の場合ですと、18,000円(税抜き)ということになります。
ちなみに、日通の単身パックSの料金は、17,000円(税抜き)となりますので、こちらもまったく割引サービスを考慮せずに、同一市区内で比較した場合の最低料金はクロネコヤマトの方が若干安いということになります。
2-2. クロネコヤマトの4つの割引サービス
クロネコヤマトの単身引越サービスでは、条件に応じて4つの割引サービスが適用になります。
具体的に、どのような条件で安くなるのか見ていきましょう。
2-2-1. WEBからの申し込みで2,000円引き
クロネコヤマトの単身引越サービスには、インターネットからの申し込みで2,000円(税抜き)安くなるWEB割引があります。
金額的には、日通の単身パックにおけるWEB申込み割引と同額になります。
このサービスは、あくまでも申込み1件あたりに適用されるサービスであり、同一の日に同一の場所に複数のボックスを依頼した場合であっても、あくまで割引金額は2,000円(税抜き)ということになりますので、勘違いしないようにしましょう。
いずれにしましても、PCやスマホを使ってネットから申し込むだけで2,000円(税抜き)も安くなるサービスですので、利用しないと損です。
2-2-2. 平日の引越しなら2,000円割引です
引越しというのは土日に行う人が多いために、引越し業者にしてみれば、なるべくならば平日に引越しをしてほしいというのが本音でしょう。
そのため、クロネコヤマトの単身引越サービスでは平日割引というサービスを提供しています。
引越しをする曜日を平日にするだけで、2,000円(税抜き)安くなるというサービスですので、どうしても土日に引越しをする人がある人以外は、ぜひ利用すべきでしょう。
ただし、引越し業者が1年で一番忙しい時期である3月20日~4月2日の期間だけは、このサービスを受けることは出来ませんので注意が必要です。
この期間は、たとえ平日であっても引越し業者は忙しい時期ですので、これは仕方のないところです。
2-2-3. 早期に申し込むと1,000円割引になる
ヤマトの単身引越サービスは、荷物の搬出日よりも14日以上前に申し込みをすると、早期申込み割引として1,000円安くなります。
引越し業者にしてみれば、直前に依頼されると配車や人員のやりくりに四苦八苦しますので、なるべく早期に依頼してくれる人を優遇しようという趣旨のサービスになります。
ただし、こちらも繁忙期となる3月20日~4月2日の期間は適用になりません。
たとえ早期に申し込んだとしても、その期間だけは人員の確保や配車が大変であることには変わりないということでしょう。
2-2-4. ボックスを複数依頼することで1,000円安くなります
1つのボックスで荷物が収まりきらずに、2つ以上のボックスを利用することになった場合、1つのボックスにつき1,000円安くなるサービスが複数BOX割引です。
ボックスが2つの場合は2,000円(税抜き)引き、ボックスが3個なら3,000円(税抜き)ということになります。
これはminiタイプの場合であっても同様に適用されます。
荷物が1つのボックスに収まりきらない場合であっても、日にちを分けて何度も送るよりも一度に送ってしまった方がお得になるということがお分かりかと思います。
2-3. 割引サービスをフル活用で驚きの安さに!
クロネコヤマトの単身引越サービスを、割引サービスをフルに使って関東地方以外の地区で同一市区内に引越しした場合の料金を計算してみましょう。
安さのインパクトを感じてもらうために、あえてminiで計算してみましょう。
引越し時期は繁忙期以外で、平日という条件です。
基本料金13,000円(税抜き)-WEB割引2,000円(税抜き)-平日割引2,000円(税抜き)-早期申込み割引1,000円(税抜き)=8000円(税抜き)
なんと、たった8,000円(税抜き)で引越しが出来てしまうのです。
同一市区内で、しかも荷物も少ないとなるとトラックなどを借りて自分で荷物を運んだ方がお得なような気がするものですが、この8,000円という金額を見てしまうと、どう考えても業者に依頼したほうがお得に思えてしまうことでしょう。
ちなみに、3月20日~4月2日の期間だけは、シーズン加算としてこれに2,000円(税抜き)が加算されますので、注意が必要です。
また、これは日通の単身パックも同様ですが、段ボールの箱詰め作業などは自分で行う必要がありますので、事前にしっかりと準備をしておきましょう。
参考記事:荷物の少ない単身者の引っ越しはクロネコヤマトのサービス活用でお得になる?
2-4. 便利なさまざまなオプションサービス
クロネコヤマトの単身引越サービスでは、引越しの準備や片付けなどに時間が取れない人のために、便利なオプションサービスが用意されています。
2-4-1. 荷造りをする時間のない人のために
一人暮らしで荷物が少ないとはいえ、荷造りを一人だけでやろうとするとかなり大変です。
忙しいサラリーマンの方ですと、なかなか荷造りのための時間も取れないでしょう。
そういった方にとって便利なのが荷造りサービスです。
荷物の量によって料金は異なりますが、ボックス1つあたり6,000円(税抜き)荷造り料金となっているようです。
2-4-2. 梱包資材をそろえる時間のない人のために
段ボールなどの荷造り用の資材を準備する時間のない人は、単身用資材パックを利用してみるといいでしょう。
料金は3,200円(税抜き)で用意されている資材は以下になります。
●布団袋:1枚
●ダンボール箱Mサイズ(幅51×奥行34×高さ33cm):4枚
●ダンボール箱Sサイズ(幅34×奥行34×高さ33cm):6枚
●グラスパック仕切り板:2枚
●グラスパック中敷き:2枚
●食器パット:20枚
●ビニール袋:5枚
●クラフトテープ(25m巻):1本
●エアーキャップ(60×500cm):1本
●荷づくりロープ(ビニールひも)(20m):1本
●油性ペン:1本
●ワレモノシール:2セット(4枚)
●説明書(プロのアドバイス):1枚
これだけそろっていれば、単身の引越しなら十分でしょう。
2-4-3. 引越しに使った資材の回収サービス
引越しに使う梱包用の資材を用意してくれるというサービスがありましたが、こんどは引越しが終わった後のそれらの梱包材などを回収してくれるサービスです。
すぐに処分したくてもなかなかできないことも多いでしょうし、一時保管するにしてもワンルームの部屋では置く場所にも困ります。
そういった時にこれらの資材をクロネコヤマトが回収してくれるとなれば、とても助かることでしょう。
資材回収料金は、1回につき3,000円(税抜き)となっています。
