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引越し業者と契約をしたにもかかわらず、当日になってキャンセルをしなければならなくなってしまったりすると、50%のキャンセル料が発生します。
同様に、前日のキャンセルだと30%、前々日だと20%のキャンセル料を支払わなければなりません。
ですから、よほどのことがない限りは、直前になって引越し業者をキャンセルするというのは、やめておいた方が無難といえます。
引越し業者のキャンセルに関しては標準引越運送約款に記載されています
引越し業者のキャンセルに関する取り決めとしては、国土交通省が作成した「標準引越運送約款」の二十一条に以下のように記載されています。
第二十一条当店が、解約手数料又は延期手数料を請求する場合は、その解約又は受取日の延期の原因が荷送人の責任によるものであって、解約又は受取日の延期の指図が見積書に記載した受取日の前々日、前日又は当日に行われたときに限ります。ただし、第三条第七項の規定による確認を行わなかった場合には、解約手数料又は延期手数料を請求しません。
2.前項の解約手数料又は延期手数料の額は、次の各号のとおりとします。一見積書に記載した受取日の前々日に解約又は受取日の延期の指図をしたとき見積運賃等(料金にあっては、積込み、取卸し、搬出、搬入、荷造り及び開梱こんに要するものに限る。次号及び第三号において同じ。)の二十パーセント以内二見積書に記載した受取日の前日に解約又は受取日の延期の指図をしたとき見積運賃等の三十パーセント以内三見積書に記載した受取日の当日に解約又は受取日の延期の指図をしたとき見積運賃等の五十パーセント以内
3.解約の原因が荷送人の責任による場合には、解約手数料とは別に、当店が既に実施し、又は着手した附帯サービスに要した費用(見積書に明記したものに限る。)を収受します。4.第一項ただし書の規定は、前項の費用の収受について準用します。
分かりにくい文章で書かれていますが、要するに引越しの3日前までは解約料はかからず、前々日の解約や受取日の延期の場合は20%、前日の解約や受取日の延期の場合は30%、当日の解約や受取日の延期の場合は50%の解約料がかかるということが書かれています。
引越し業者がこの約款を適用することにしている場合、ここに書かれた割合のキャンセル料の支払いを拒むことはできません。
これまでが安すぎた引越し業者のキャンセル料
引越し業者のキャンセル料が、標準引越運送約款で現在の割合になったのは、2018年6月からです。
それ以前は、当時のキャンセル料が20%で、前日のキャンセルが10%、前々日だと無料となっていました。
国土交通省も、さすがにこれでは安すぎると判断して、変更をしたのだと思います。
たとえば、ホテルなどのキャンセル料は、当日であれば100%が普通です。
それが、引越し業者の場合は、当日であっても20%だったわけですから、かなり厳しい数字であったことは間違いありません。
ホテルの場合は、予約が入れば部屋を開けて待っているだけですから、特に何か損失が発生するわけではありません。
キャンセルされなければ発生したであろう売り上げを失うのみです。
ところが引越し業者の場合には、その引っ越しのためにトラックやスタッフを事前に用意しておく必要があります。
引越し業者は、繁忙期などになると、トラックを外注したり大勢のアルバイトスタッフを雇用したりしなければなりません。
ところが、当日にドタキャンされてしまうと、それらのトラックやスタッフは予定していた仕事をすることができなくなってしまいますので、車両費やスタッフの人件費が損失となってしまうのです。
ちなみに、引っ越し1回あたりの平均作業員は3.3人で、平均車両台数は1.7台だそうです。
それだけの損失につながるわけですから、当日のキャンセル料が50%に上がったのは、仕方のないことだと思います。
当日にキャンセルされると7割は作業できずに終わってしまいます
キャンセルされるにしても、せめて2日前くらいであれば、引越し業者も用意したトラックやスタッフを他の仕事に振り分けることも可能かもしれません。
実際に、2日前のキャンセルであれば、8割程度はなんとか他の仕事に振り分けることができているようです。
ところが、当日のキャンセルとなりますと、トラックや作業員を他の仕事に振り分けすることができるのはせいぜい3割ほどになってしまうそうです。
つまり、7割は損失となってしまうわけです。
そうなると、当日のキャンセル料が70%程度であっても不思議はないわけで、むしろ50%なら安いといえるかも知れません。
引っ越しの場合はキャンセルする方の負担も高額になりがちです
たしかに、当日にドタキャンされることの引越し業者の損失を考えると、当日のキャンセル料が50%というのは致し方ないことです。
しかし、ホテルの宿泊料などとくらべて引越し業者の料金というのは高額になることが多いので、キャンセルする方の負担もかなり大きくなってしまいます。
家族で長距離の引っ越しをするときには、30万円~40万円のも費用がかかってしまうこともあります。
もし、何らかの理由で引っ越しをキャンセルしなければならなくなってしまった場合、15万円~20万円もの高額なキャンセル料が発生してしまうことになります。
引っ越しの当日キャンセルの場合、業者の損失も確かに大きいですが、依頼主側の負担も大きくなってしまうために、ホテルなどのようにキャンセル料を100%などとは安易に設定できないのでしょう。
「他にもっと安い引っ越し業者が見つかった」などという自分勝手なキャンセルは問題外ですが、身内に不幸があったり、突然の病気になってしまったりしてキャンセルしなければならないこともあるわけです。
そんなときに、泣きっ面に蜂状態にならないように、これまではキャンセル料を低めに設定されていたのだと思いますが、最近になってあまりにも身勝手な当日のドタキャンが増えてしまったことで、値上げに踏み切らざるを得なくなったのだと思います。
どんなときに引っ越しを当日ドタキャンすることになるのか?
引っ越しを当日にドタキャンする理由にはどのようなものがあるのでしょうか?
心情的にはこれは仕方がないと思えるものもあれば、さすがにこれはいくらなんでも、といいたくなるような理由までさまざまです。
理由として仕方がないと思えるのが、身内に不幸が起こってしまったり、急病で入院をしてしまったりした場合です。
さすがにこればかりは事前に分かりませんので、どうすることもできません。
こうした理由での当日ドタキャンであれば、引越し業者も心情的には納得がいくことでしょう。
しかし、こういった避けられない理由のキャンセルであったとしても、当日のドタキャンということであれば、50%のキャンセル料を支払わなければならなくなってしまいます。
契約金額が20万円だった場合、引越し業者に何も作業をしてもらっていないにもかかわらず、10万円の出費となります。
こういったケースの場合には、どうしてもキャンセルをする方に同情してしまいます。
ところが、引っ越し当日に会社を休む予定だったのが、急な仕事が入ってしまって休めなくなってしまったとか、当日にお金が用意できなくなってしまったなどという、自分勝手なキャンセルをする人も実際には少なくないようです。
ひどい人になると、他の安い業者と契約をしたあとに、先に契約した引越し業者にキャンセルの連絡をするのをを忘れていたなどということもあるようです。
2018年5月までのルールでは、こういった自分勝手な当日のドタキャンであっても、引越し業者は20%しか請求することができなかったのです。
つまり、20万円の契約だった場合は、4万円ということです。
これだと、後から契約をした引越し業者の料金が4万円以上安かった場合、キャンセル料を支払ったとしても、自分勝手な人が得をしてしまうことになります。
現在では、当日のキャンセル料は50%ということになっていますので、さすがにこういった自分勝手な理由でのキャンセルはできないと思います。