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電話一本で簡単に引越し業者の予約が出来れば便利に違いありません。
実際に、そういう引越し業者もいないわけではありません。
大まかな家の広さと家族の人数だけを聞いて、電話口で適当な料金を伝えて、そのまま予約を受付けてしまうわけです。
しかし、たとえ電話による口頭であったとしても、法律上契約は有効となってしまいますので、これはある意味では非常に危険な行為ということがいえます。
あとになって、さまざまトラブルに発展することが少なくないからです。
このページでは、なぜ電話1本で引越し業者に仕事を依頼することが危険な行為なのかについて、具体的に説明をしてみたいと思います。
電話口での受け答えだけで正確な見積り作成はできない
引っ越しのプロであったとしても、電話口で家の広さや間取り、家族の人数などを聞いたりしただけで、正確な見積もりを作成することはできません。
過去のデータから、大まかな概算金額をはじき出すことは出来るかも知れませんが、人のライフスタイルはさまざまです。
1人暮らしの人なのに、4トン車がいっぱいになるほど荷物の多い人もいるのです。
想定していないような大きな家具があるかも知れませんし、玄関の間口が狭くて荷物の搬出が困難な家かもしれません。
もちろん、百戦錬磨の引越し業者は、そういったこともある程度は想定していますので、リスクを取るためにどうするかというと、かなり高めの金額を提示するわけです。
これは業者が料金をふっかけるとかいうことではなく、実際に現場を見ない以上、リスクがある分を上乗せするしかないのです。
「そんなに大きな荷物はないだろう」とか「搬出のやりにくい家ではないだろう」と勝手に決めつけるようなことをプロはしません。
うっかりと安い見積もり金額を提示してしまって、当日に大きな家具があったり、搬出が困難であるということが分かったりしたら、大赤字になってしまう可能性があるからです。
大赤字になるだけならまだしも、その荷物が用意したトラックでは積めないほど大きなものであったりすると、積み残しの形で置いて行くしかありません。
たとえばピアノがあったり、大きな仏壇などがあったりした場合には、一般的な荷物を想定してそろえたスタッフだけではどうにもならないはずです。
一応、電話口でもそういった特殊な荷物がないかどうかは確認するはずですが、それでも回答する側がうっかり見逃してしまうとアウトということになります。
そのため、最悪の場合を想定して、かなり高めの見積もり金額を電話口で答えることになるわけです。
正式に現場を見て見積もりをしてもらったら、その半分の料金で済むなどという可能性も十分にあります。
「家財チェックリスト」「標準引越運送約款」を確認して契約
引っ越しの契約を電話で済まそうとする側にも問題がありますが、それを了承して現場を見ないで概算の金額で請け負ってしまう業者も大問題です。
電話で概算の金額を伝えることはどこの業者でもやっていることですが、契約前の最終的な見積もりは、実際に現地を訪問したうえで、家の造りや間取り、荷物の量などを把握したうえで作成するのが一般的です。
そして、見積書と一緒に「家財チェックリスト」と「標準引越運送約款」を渡されるはずです。
「家財チェックリスト」で見積もりに計上しているすべての荷物が確認できますし、「標準引越運送約款」によって業者との決めごとを確認することが出来ます。
それらをしっかりと確認したうえで契約をするようにすれば、まずトラブルになる可能性は少なくなります。
逆に、契約前にこれらの書類一式を提出してこないような業者は、モグリか悪質な業者である可能性が高いといえます。
引越しはある意味では一発勝負
引っ越しというのは、ある意味では一発勝負的なところがあります。
賃貸住宅の契約の問題などもありますから、当日になって予定を変更するのは非常に困難といえますし、業者にしてもスケジュールが詰まっていれば、そう簡単に予定をずらすことはできません。
そういった意味では、確実にその日に引越しが出来るようにしっかりと段取りをしておかなければならないわけです。
電話の口頭契約だけで、現場をまったく見ていない引越し業者に仕事を依頼したあげく、何らかの原因によって当日に作業が出来なくなってしまうと、依頼した側も業者側もお互いが不幸なことになります。
より確実にその日に引っ越しを実行できるようにするためにも、引っ越しのプロである業者に訪問をしてもらって、部屋の状況や荷物の量を確認してもらうのは必須のことといえるでしょう。
悪徳業者の罠にはまってしまう可能性も
「いま聞いた内容でしたら、20万円ちょうどでやらせてもらいます」
などと、電話口で引越し業者がそう言ったとしても、それを鵜呑みにしてはいけません。
悪質な業者になると、当日訪問するなり
「思ったよりも荷物が多いですね。10万円ほど追加料金が発生しますね~」
などと平気で言ってくることがあります。
それはおかしいだろうと主張しても、電話で聞いた範囲では、ここまでの荷物の量は想定していなかった、などといわれてしまえばそれまでです。
関連記事:引越し業者と追加料金をめぐってトラブルにならないための事前チェック
電話契約で、しかも1社にしか料金を出してもらっていないのであれば、まさに業者側の言い値になってしまいます。
むこうも、引っ越し当日になっていまさら断ることができないということを見越して、強気で主張してくることになります。
うっかり「そんな金額払えません」などと言おうものなら「じゃあ、帰らせてもらいますよ」などと捨てゼリフを吐く業者もいたりします。
引越し業者の見積もりを1社だけからしかとらず、しかも電話口で契約までしてしまうという横着なことをしたばっかりに、こういった悲劇を招いてしまうことになるわけです。
引越し見積もりは、必ず複数の業者から取得するようにし、現地を見てもらったうえで「正式見積書」「家財チェックリスト」「標準引越運送約款」を確認してから、納得できる業者と契約するようにしましょう。
単身パックは例外的に訪問せず電話で見積りOK
一人暮らしの人の間で人気になっている、単身パックという引越しサービスがありますが、こういったサービスであれば、現地訪問なしで電話での予約OKです。
なぜなら、単身パックの場合は、コンテナ1つあたりの料金が事前に決められていますし、引越し業者は、あくまでもコンテナに入りきるだけの荷物を運べばいいわけです。
1つのコンテナに入りきらなければ、追加でもう1つコンテナを増やすことで対応します。
ですから、引越し業者としてもリスクが少ないために、電話での予約を受付けているわけです。
ちなみに、単身パックは電話で受け付けをしていますが、Web上から申し込みをした方が、料金的に安くなりますので、可能であれば電話ではなくネットから申し込みをした方がいいです。
関連記事:日通の「単身パック」のサービス内容や料金・割引などを分かりやすく解説
訪問せずにスマホでオンライン見積りが可能な引越し業者
基本的に、現地を訪問して部屋の状況や荷物の量を確認して、見積りを作成するのが引越し業者の常識ですが、大手の業者のなかには、オンラインによる見積りサービスを提供しているところがあります。
これは、スマホのカメラで部屋の中を撮影しながら、引越し業者のオペレーターとやり取りをして、見積りを作成してもらうというサービスです。
この方法だと、確かに引越し業者と直接会うことなく、見積りを作成してもらうことができます。
しかし、部屋の中の荷物などを慎重に確認するのは訪問のときと変わりませんので、時間的には30分から1時間程度はかかってしまうようです。
現在、このオンライン見積りサービスを提供しているのは、アート引越センター、サカイ引越センター、日通の3社になります。
どうしても訪問見積もりが嫌だという人は、各社に問合せをしてみるといいでしょう。