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国民生活センターには、引越し業者に対するクレームが年間で2000件前後寄せられています。
国民生活センターに寄せられている相談を知ることで、消費者が引越し業者との間でどのようなトラブルを起こしているのかが分かります。
これから引越しを予定している方は、そういったトラブルに巻き込まれないためにも、事前に国民生活センターへの相談事例を知っておくといいでしょう。
ここでは、特に気をつけたい相談事例をいくつか紹介してみたいと思います。
荷解き作業中にクローゼットを破損されたという相談
引越し業者は、荷物を運搬するだけではなく、オプションとして荷造りや荷解き作業を行ってくれるところも少なくありません。
その荷解き作業中に、引越し業者がクローゼットを壊し、さらに床に傷をつけてしまったというクレームが実際に国民生活センターに寄せられています。
引越し業者は、モグリの業者でなければ基本的に保険に加していますので、作業中の破損に関しては補償をしてくれるはずです。
この事例では、壊してしまったあとの業者の対応があまりにも遅いことに不満を感じているようですが、まともな業者であれば壊したことを認めている限り、補償をしてくれないということはないと思います。
繁忙期などでは忙しくてどうしても対応が遅くなってしまうこともあると思いますので、その辺の事情も考慮したうえで業者との関係を悪化させない方が得策だと思われます。
参考記事:引越し業者は保険に入っていても補償を渋ることがあるのはなぜでしょうか?
ダンボールを返送するための送料を負担するようにいわれた
最近の引越し業者は、契約が完了すると同時にダンボールをおいて行ってしまうところが多くなっています。
ダンボールをおいていってしまうことで、キャンセルされにくくしているようです。
しかし、そういったダンボールをいったん受け取ってしまうと、もし他の業者に依頼することになった場合には、それを業者に返却しなければならなくなります。
このときトラブルになるのが、ダンボールの返送料をどちらが負担するかという点です。
依頼者の都合によりキャンセルになった場合には、返送のための送料は依頼者が負担すべきだと業者は主張してきます。
それが不満だということで、国民生活センターに相談する人も多いようです。
しかし、依頼者側の都合でキャンセルをすることになった場合、ダンボールの返送料を引越し業者に負担させようという考え方は無理があるといえるでしょう。
契約が成立したからこそ、当日までにしっかりと荷造りをしてもらおうという意図のもとに無料でダンボールを提供してくれているわけですから、自己都合でキャンセルならば返送料は負担しなければなりません。
そのことは、引越し業者のホームページなどにも書かれていることが多いです。
ただ、業者によっては見積もりを持ってきたときに、契約もしていないのに勝手にダンボールをおいていってしまうことがあります。
この場合には、契約をしているわけでありませんし、そもそもキャンセルすら発生しないことになりますので、送料を負担する必要はありません。
また、業者が取りに来るまでダンボールも返却する必要はないといえます。
期日を決めて、その時までに取りに来なければこちらで処分しますと伝えておけば十分です。
依頼者側にしてみれば、契約もしていないのに、勝手にダンボールを置いて行かれたわけですから、そういった対応になるのは当然のことです。
いずれにしても、トラブルを避ける意味で、契約前にダンボールを受け取るのは、絶対にやめておいた方がいいでしょう。
ダンボールの返却に関しては、すでに契約をしてしまったのか、それとも契約前かで対応が異なることになりますので、その点を十分に認識しておく必要があります。
引越し業者がトラックに積んだ荷物を持ち逃げ?
これはかなりひどい事例ですが、引越し業者に荷物をあずけたが転居先には届かず、担当者とまったく連絡が取れなくなってしまったという苦情が国民生活センターに寄せられています。
常識では考えられない事例なので、おそらく引越し業者をかたった窃盗団の可能性もあります。
看板を掲げて営業しているまともな引越し業者であれば、仮に担当者と連絡が取れなくなったとしても、営業所に電話をするなり直接クレームを入れれば対応をしてくれるはずなので、荷物が行方不明でなおかつ業者と連絡が取れないなどということは、常識的には絶対に起こりえないはずです。
いずれにしも、ただ安いからといって、どこの業者だかよくわからないようなところとは、絶対に契約をしない方がいいでしょう。
特に、白ナンバーと呼ばれる、トラックのナンバープレートの色が白のモグリ業者とは絶対に契約をしないようにしましょう。
冷蔵庫の水抜きをせずに運んでカーペットを濡らしてしまった
冷蔵庫は、前日までに中の荷物をすべて取り出して、水抜きをしておくことが大切です。
水抜きをしていなかったために、引越し業者が冷蔵庫の運搬中に床やカーペットを濡らしてしまった、といったクレームも国民生活センターにはよく寄せられるようです。
しかしこの場合は、引越し業者が一方的に悪いと決めつけるわけには行きません。
なぜなら、多くの引越し業者は冷蔵庫の水抜きが当日までにされていることを前提に、運搬をすることになるからです。
「当日までに冷蔵庫の水抜きをしておいてくださいね」と引越し業者より指示される場合も少なくありません。
そうはいっても、なかなかその約束を守ってくれない依頼者も少なくないため、引越し業者が当日の朝に水抜きをしてくれることもあるようです。
たまたまそういうことを知っていて、冷蔵庫の水抜きは引越し業者がやるものだと勘違いしている人もいるかも知れません。
しかし、基本は当日までに依頼者が水抜きをすべきなので、仮に引越し業者が確認をせずに冷蔵庫を動かしてしまって床やカーペットを濡らしてしまったとしても、一方的に業者を責めるわけには行かないと思います。
関連記事:引越し当日までに冷蔵庫の霜取りや水抜きは必須~運搬は横倒しNG
引越し業者が運搬中に階段を傷つけてしまった
引越し業者が運搬中に借家の階段に傷をつけてしまったが、業者がそれを認めようとしないという事例も国民生活センターに報告されています。
実は階段に限らず、引越し業者が床や壁に家具などをぶつけてしまって傷をつけてしまうというトラブルはよく発生します。
重いものを運ぶ引っ越し作業ですから、そういったトラブルを100%防ぐというのは困難といえるでしょう。
しかし、実際に建物に傷をつけられてしまったとしても、その傷が間違いなく引越し業者の運搬中についたものであるということを立証するのはなかなか難しいといえます。
実際に傷をつける瞬間を目撃でもしていない限り、業者から「以前からついていた傷だ」と突っぱねられるのがオチです。
ワンルームなどの狭い部屋であれば、室内の壁や床などを事前に写真撮影しておくということも考えられますが、部屋がたくさんある家の場合には、それらをすべて写真に収めるというのは現実的ではありません。
床にダンボールなどが山積みになっていたら、撮影そのものが困難でしょう。
あとあとそういったトラブルにならないためには、荷物を運び出す通路や家具などをしっかりと養生してくれるような対応の良い引越し業者を選ぶようにすることが大切だといえます。
引っ越しが終わった後で見つけた傷に関しては、業者が認めないケースも多いということと、国民生活センターに相談してもなかなか解決には至らない可能性が高いということを知っておくといいでしょう。