引越し業者が本の多い家の引っ越しを嫌がる理由~重い本の運搬は思った以上に重労働です

棚に並べられたたくさんの本最近の人はあまり本を読まなくなったといわれています。

実際に、昔から営業をしていた古い書店がいつの間にかなくなっていたりするのを、目にすることも多くなりました。

しかし、そんな時代においても、病的なまでにたくさんの本を買いあさる人間はいるものです。

そういった人の家には、数千冊から数万冊の本があったりします。

まさに、引越し業者が最も嫌がるのが、そういった本のたくさんある家なのです。

いったいなぜ、引越し業者は本の多い家が嫌いなのでしょうか?

本の多い家の引っ越しは業者にとっては災難?

インターネットでほとんどの情報収集が出来るようになった現代においても、読書が趣味だという人は少なからずいます。

そのような人は、いわゆる活字中毒患者とも呼ぶべき病的な人ですから、本がないと落ち着くことができず、何かを読んでいないと禁断症状がでてしまいます。

活字中毒患者の人の家は、たいてい本に埋もれていて、自分が座るスペース以外は本が山になっているなどということも珍しくありません。

一般人からすれば異様な光景ですが、それはあくまでも趣味の世界でありその人のライフスタイルですから、他人がとやかく言うべきことではありません。

しかし、引越し業者にとっては、そういった人から依頼を受けてしまった場合には、まさに災難といってもいい事態になってしまいます。

本がたくさんある家の引っ越しを嫌う業者さんは、本当に多いのです。

理由は明白で、本というのはその重さが尋常ではないからです。

床の補強が甘い家だと、本の重さに耐えきれずに本棚を置いた場所の床が抜けてしまったりすることがあるのです。

実際に本をいっぱい詰め込んだダンボールを持ってみると分かりますが、私たちが考えている以上に本というのは重いです。

引越し業者も人間ですから、なるべくなら重いものは運びたくないと考えるのは当然です。

もし、あなたの家に来た引越し業者の顔色がさえないと感じるならば、それはおそらく部屋の中にある大量の本が原因かも知れません。

本の詰まった重いダンボールでも引っ越し料金は割高にはならない

引越しの荷造り引越し業者にとっては同じサイズのダンボールであっても、中に洋服が入っているのと本が入っているのとでは、その重さはまるっきり違います。

引っ越しで一般的な120サイズ(縦横高さの合計が120cm)のダンボールであっても、中に本をぎっしりと詰めたら、その重さは30kgほどにもなってしまいます。

実際に30kgの重さの箱を運んでみると分かりますが、普通の人がひょいひょいと運べる重さではないことは間違いありません。

たとえ荷物の運搬には慣れている引越し業者のスタッフであっても、そんな箱が何十箱も山積みになっているのを目の当りにしたら、その場から逃げたい気持ちになってしまうことでしょう。

転居先がエレベーターのないマンションの最上階だったりしたら最悪です。

それらの重い本をすべて階段で運ばなければならないわけですから、まさに拷問に近い作業となってしまうわけです。

引っ越しの料金というのは、基本的にトラックの大きさと台数、作業員の人数、移動距離などで決められます。

ダンボールのなかに軽い洋服が入っていようが重い本が入っていようが、同じダンボールの数ならば荷台を占領するスペースは同じですので、使用するトラックのサイズが変わることはありません。

つまり、運ぶダンボールが重くても軽くても、基本的には引っ越しの料金には差がないことになります。
※厳密には料金が変わる可能性がありますが、詳細はあとで説明します。

運搬するものの重量が料金に確実に反映されるのは、あくまでもピアノや仏壇といった特殊な重量物を運ぶときのみです。

作業が大変であるにもかかわらず料金が変わらないわけですから、本だらけの部屋をみたとたんに、引越し業者が「やってらんねぇ~」と心のなかで叫んだとしても何の不思議もありません。

本の量によっては必要なトラックサイズが変わることもあります

本がびっしり詰まった重いダンボールがたくさんあっても、使用するトラックのサイズが変わらなければ、基本的に引っ越し料金は同じです。

しかし、本が大量にある場合には、荷台にまだ余裕があるにもかかわらず、ワンランク大きいサイズのトラックを使用しなければならなくなる可能性もあります。

トラックというのは、荷台にスペースさえあれば、いくらでも荷物を積んでいいというものではありません。

なぜなら、積載重量というものが法律で決められているからです。

たとえば2トントラックの場合、最大積載重量は2,000kgとなっているのが普通ですので、2トンまでの荷物しか積めません。

ところが、2トントラックには120サイズのダンボールを130箱以上も積み込むことができます。

先ほども書きましたように、120サイズのダンボールに本をぎっしりと詰め込むと、1箱あたり30kgの重さがあります。

130箱だと3,900kg、すなわち3.9トンの重さになります。

積載重量が2トンのトラックに、3.9トンの荷物を積み込むことは、過積載による道路交通法違反ということになってしまいます。

トラックが過積載をすると、業者だけではなく、荷主までが罰則の対象になってしまいます。

参考:過積載は荷主にも罰則が適用されます~国土交通省

ですから、本が大量にある引っ越しのときには、たとえ荷台に余裕があっても、ワンランク上のサイズのトラックが必要になる可能性があるのです。

トラックのサイズが大きくなれば、当然のことながら引越し料金も高くなることになります。

本音の引越し見積もりは変わってくるか可能性があります

運搬するトラックのサイズが同じであれば、荷物の重さによって引越し料金が大きく変わるということはありません。

しかし、これはあくまでも建て前の話です。

世の中には本音と建て前というものが存在します。

引越し業者の本音の部分で、「本のたくさんある家の引っ越しはやりたくない」という気持ちがあれば、それが見積もり金額に反映される可能性は十分にあります。

引っ越しの料金には定価というものがありません。

これは、複数の業者から見積をとってみればすぐに分かります。

同じ荷物の量で同じ距離を運んでもらうのに、業者によって見積もり金額が2倍以上も違ってくることはザラにあります。

つまり、引っ越しの見積り金額というのは、業者のさじ加減でどうにでもなってしまうのです。

そのため、部屋のなかにある大量の本を目にしたとたん、通常よりもかなり割高な見積もりを引越し業者がだしてくる可能性は十分にあります。

別にそういった業者が悪徳であるとかではなくて、建て前は建て前として存在する一方で、あくまでも大人の事情によって見積もり金額がアップすることもあるということです。

また、本音の話でいえば、引越し業者は「お断り見積もり」というものを出してくることがあります。

これは、引越し業者が一番忙しい3月などの繁忙期などによく行われますが、相場よりもあきらかに高い見積もりを提出して、お客さんの方からお断りしてくれることを期待するというものです。

つまり、お客さんに見積もりも出さずにお断りするのも失礼なので、一応見積もりは出すけれども、あえてお客さんがドン引きするようなバカ高い金額で見積もりを作成するということです。

部屋のなかに大量の本があり、なおかつ引っ越し先の部屋がエレベーターのないマンションの5階だったりすると、引越し業者が丁重に「お断り見積もり」を出してくる可能性がないとはいえません。

私たちが引越し業者を自由に選ぶ権利があるのと同様に、引越し業者にもお客さんを選ぶ権利がありますので、これは仕方のないことです。

参考:引越し業者が作成する「お断り見積もり」の意味するものとは?

ですから、本がたくさんある人が引っ越しをするときには、1社だけから見積もりをもらうのではなく、必ず複数の業者の見積りを比較するようにすべきです。

そうしないと、相場の2倍以上の料金を払って引っ越しをするはめになってしまうかも知れません。

複数の業者の見積り金額を比較するには、以下のような一括査定サイトが便利ですので、利用してみるといいでしょう。


できれば本を処分することで荷物の量を減らす工夫をしたいものです

引越し業者からマイナスのオーラを受けながら、肩身の狭い思いで引っ越しをするのは嫌だという人は、引っ越しのタイミングで必要ないものを処分することを検討してみるのもいいかも知れません。

本の数を減らすことそのものは決して難しいことではありません。

もう二度と読まないであろうと思われるような本は、ブックオフなどの古本屋に持っていって引き取ってもらえばいいだけのことです。

ただし、古本屋の買取り価格というのは驚くほど安いので、「こんなタダみたいな金額で処分をするのはくやしい」と考える人もいるかも知れません。

もし引っ越しをするまでに時間があるのであれば、メルカリやヤフオクなどを利用して個人売買の形で少しずつ処分をするといいでしょう。

古本屋に持ち込むよりははるかに高く売れますし、本が順調に売れれば、いくらかでも引っ越し代の足しになることでしょう。

しかし、引っ越しのためにはなるべく本を処分した方がいいと分かっていても、マニアというのは病気ですから、なかなか実行に移すことができない人もいることでしょう。

おそらく、もう一生読むことがないであろうと思われる本であっても、いつまでも手元に置いておきたいというのが、一般の人には理解しがたいマニアのマニアたるゆえんです。

「業者に嫌われても、料金が高くなってもかまわないので、本は全部持って行く」という病的なまでのマニアの方は、引っ越し費用も趣味のための投資と割り切って、高い料金を支払って引っ越しをしてください。

引越し業者に嫌われないためのダンボールの詰め方

ダンボールに本を入れる先ほども書きましたように、120サイズのダンボールに本をぎっしりと詰めると、その重さは30kgほどにもなります。

引越し業者のスタッフは、作業効率をアップするために2つのダンボールを一度に運ぶことが多いのですが、さすがに本がぎっしり詰まった30kgの箱を2つ重ねて運ぶというのは、プロレスラーのような体格をした人でなければ不可能です。

そういった引越し業者のスタッフの苦労をなんとかしてあげたいと考えるならば、箱詰めの方法を検討してみるといいでしょう。

どういうことかといいますと、ダンボールに本だけをぎっしりと詰め込むのではなく、洋服などの軽いものをうまく組み合わせて詰め込むようにすればいいのです。

たとえば、ダンボールの底のほうに本を3分の1ほど入れ、残りの3分の2のスペースには軽めの洋服をなど入れるのです。

そうすることで、なんとかダンボールの重さを15kg程度におさえることができると思います。

実際に持ってみると15kgでもかなり重いのですが、その程度の重さであればプロである引越し業者は問題なく運んでくれるに違いありません。

また、本と洋服を一緒にダンボールに入れることによって、洋服が緩衝材となって本が傷みにくくなるというメリットもあります。

しかし、すべてのダンボールにそういったハイブリッドな詰め方が出来るとは限りません。

病的な本マニアの中には、洋服などにくらべて本の数のほうが圧倒的に多い可能性もあります。

そういった場合には、いっしょに詰め込むものがありませんから、ダンボールは本専用にするしかありませんが、1つの箱のサイズをかなり小さめにする必要があります。

梱包する箱の数が多くなってしまうことで荷造り作業は大変になりますが、実際にそれを運搬する人のことを考えて、出来る限りのことはしてあげるようにしましょう。

事前に引越し業者が提供してくれたダンボールが大きいサイズのものしかない場合には、本を入れるための手ごろなサイズがないかどうかを聞いてみるといいでしょう。

引越し業者もできれば1箱あたりの重量は軽くしたいので、協力してくれるに違いありません。

本を入れるダンボールの底は必ず補強をしましょう

本がたくさんある家の引っ越しが業者に嫌われる理由は、ダンボールが重くなるからだけではありません。

実は、本を入れたダンボールというのは、中身の重さに耐えきれずに底が抜けてしまうことがよくあるのです。

運搬作業中にダンボールの底がつぎつぎに抜けてしまって本が散乱してしまったりすると、引越し業者も収拾がつかなくなってしまいます。

そのため、引っ越し業者によっては、底の部分の補強が甘いダンボールを運ぶのを拒否したりすることがあります。

そういったことで引越し業者に迷惑をかけないためにも、ダンボールに本を入れるときには、ガムテープなどでしっかりと底の部分を補強することが大切になります。

このとき、ガムテープを縦に貼るだけではなく、横にも十文字の形で貼るようにしましょう。

ガムテープがもったいないだとか面倒くさいなどと思わずに、これは必ずやってほしいと思います。

参考:引っ越しで失敗しないためのダンボールへの正しい箱詰めの方法

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