あえて遅い時間に引っ越しの作業を開始する夕積みや宵積みのメリットとデメリット

前日に荷物を運んで翌日に引っ越しをする夕積みと宵積み
引越し業者には、「夕積み」や「宵積み」というサービスがあります。

これは文字通り、夕方以降にトラックに荷物を積み込むサービスになります。

といっても、決して夜逃げのためのサービスではありません。

「夕積み」や「宵積み」は一般の引っ越しサービスなのですが、夕方以降に荷物を積み込むという点だけが通常の引っ越しとは異なります。

そして、実際に目的地に向かってトラックが出発するのは翌朝になります。

一般的に、引っ越しの作業を開始する時間は、午前中を選択するひとが圧倒的に多くなります。

アンケートによりますと、引越し業者を依頼する人の4人中3人は午前中に作業を開始しているようです。

関連記事:土日祝日と午前中は引越し業者が忙しくて料金が高くなるって本当?

長距離の引っ越しでなければ、午前中から作業を開始することでその日のうちに引っ越しの作業を終えることが可能になるからです。

しかし、そういった常識とは裏腹に、あえて「夕積み」や「宵積み」というサービスを利用する人がいるのです。

それはいったいなぜでしょうか?

ここでは、「夕積み」や「宵積み」サービスを利用することのメリットやデメリットについて考えてみたいと思います。

午後便は引越し料金が割安ですが夕積みと宵積みは割高

時計と電卓とお金引っ越しの作業を午前中に始めたいと思うのは、ごく普通の感覚だと思います。

距離がそれほど遠くなければその日のうちに作業を終えることができますし、午前中から作業に取りかかって、なるべく早い時間に作業を終えてしまいたいと多くの人は考えます。

荷物を運び終わったあとも荷解きなどの作業がありますので、午後にはある程度の時間的な余裕がないとバタバタするからです。

しかし、引越し業者の立場で考えると、すべての依頼者に午前中のプランを選択されると困ることになってしまいます。

なぜなら、近距離の引っ越しなどは午前中で作業が終わってしまうことも多く、閑散期などでは午後からトラックやスタッフに空きが出てしまうことも少なくないからです。

そのため、午前中から開始する場合にくらべて、午後から開始するプランを選択したほうが料金的には割安になることが多くなります。

いわゆる需要と供給の関係で、需要の少ない方がリーズナブルになるのは経済の大原則といえます。

参考:引越し見積もりの金額は午前開始と午後開始でどれくらい変わるのか?

ところが、「夕積み」や「宵積み」の場合にはちょっと事情が異なってきます。

なぜなら、「夕積み」や「宵積み」はどこの引越し業者もオプション扱いで、料金が安くなるどころか通常の料金にプラスして別途で費用が発生してしまうからです。

午後便と「夕積み」や「宵積み」の意味合いの違い

夜に積み込む午後から作業を開始する午後便の料金は安くなることが多いのに、なぜ「夕積み」や「宵積み」はオプション扱いで割高になってしまうのでしょうか?

料金が割安になることの多い午後便というのは、あくまでも午後から荷物を積み込んでその日のうちに仕事を終えることができる近距離の引っ越しを想定しています。

引越し業者にしてみれば、比較的スケジュールに余裕のある時間帯に作業ができるわけですからありがたいわけです。

それに対して、「夕積み」や「宵積み」というのは、夕方や夜遅くに荷物の積み込みだけを済ませておき、積んだ荷物を運ぶのはあくまでも翌日になります。

ですから、夕方に荷物を積み込んだとしても、ごく近距離でその日のうちに作業を終えることができるのであれば「夕積み」とは言わないわけです。

「夕積み」や「宵積み」の場合、荷物を積んだままの状態でトラック内に保管する必要があるため、保管料が発生するという意味でオプション扱いになってしまうわけです。

また、積み込みをする時間帯によっては、作業員に時間外労働の賃金が発生してしまう可能性があります。

「夕積み」や「宵積み」の料金が割高になってしまうのは、仕方がないことなのです。

ちなみに相場としては、一晩荷物を保管することで3千円~4千円ほどプラスになってしまうことが多いようです。

引越し料金を約半分にする方法はこちら

遠距離の引っ越しで利用されることの多い「夕積み」や「宵積み」

長距離を走るトラック引っ越しの場合、午前中に荷物を積み込むのが一般的ですが、あえて夕方や夜遅い時間に荷物を積み込む「夕積み」や「宵積み」を利用するのは、どういった人たちなのでしょうか?

「夕積み」や「宵積み」が利用されるケースで多いのは、500kmを超えるような長距離の引っ越しの場合です。

移動距離が500km以下の引っ越しであれば、チャーター便を使うことで当日の午前中に積み込んだ荷物を、その日のうちに目的地まで届けることも可能です。

しかし、500kmを超えるような長距離の引っ越しの場合、午前中に荷物を積み込んでいたのでは、その日のうちに作業を終えるのは困難になってしまいます。

そこで、前日の夕方や夜に荷物の積み込みだけでも済ませておけば、翌日の作業時間を2時間ほど減らすことができるわけです。

また、分譲マンションの一斉入居のときなどにも、「夕積み」や「宵積み」が利用されることが多くなります。

なぜなら、新築マンションの一斉入居では入居者のエレベーターの使用時間が割り振られていたり、管理会社から入居時間を指定されたりすることが少なくないからです。

もしマンション管理者から指定された時間が午前中の早い時間だったりした場合、当日に積み込みをしていたのでは間に合わなくなってしまいますので、「夕積み」や「宵積み」の形で前日に積み込みをしておく必要があるわけです。

関連記事:新築マンションの一斉入居で注意すべき引っ越しのポイント

その他、荷物の多い依頼者の引っ越しをするときなどにも、「夕積み」や「宵積み」が行われることがあります。

通常の引っ越しであれば、荷物の積み込みは2時間程度で終わりますが、広い一戸建てに住んでいて荷物の多い人の場合にはとてもそんな時間では終わりません。

そういったケースでは、たとえ近距離であっても荷物の積み下ろしに時間がかかってしまって、当日にバタバタしてしまうことが予想されます。

そのため、翌日の作業時間を節約するために、あえて前日に荷物を積み込んでおくわけです。

また、賃貸住宅の契約の都合で、夕積みや宵積みを利用する人もいます。

いま住んでいるところの契約が月末で切れ、転居先の契約が翌月の1日からとなっているようなケースです。

たとえば、賃貸契約の切れる10月31日に宵積みをして、11月1日に新規契約となる物件に荷物を運び入れるようなケースです。

ただし、こういったケースだと、賃貸契約の切り替わる日に寝る場所がなくなってしまうので、ホテルなどに宿泊する必要がありそうですね。

前日に荷物を積み込んでおくことのメリット

頑張る作業員「夕積み」や「宵積み」は、オプション扱いになりますので、料金的には割高になってしまいます。

しかし、割高になるにもかかわらず、そういたサービスが存在するということは、メリットを感じる人が少なからずいるということになります。

前日に積み込みという大変な作業を終わらせておくわけですから、翌日の作業にはだいぶ余裕ができます。

近距離の引っ越しのときに「夕積み」や「宵積み」を利用すると、翌日の午前中には作業が完了してしまうことになります。

午後からは、ゆっくりと荷解き作業などを進めることができますから、精神的にはだいぶ余裕を感じられるはずです。

これが当日の午前中から引っ越し作業を開始して、夜遅く作業をおえるようなパターンだと、その日はダンボールに囲まれて一夜を明かすことになってしまいます。

また、「夕積み」や「宵積み」を利用することで、さまざまな手続きも余裕を持って行えます。

引っ越しの際には、不動産業者などともいろいろなやり取りをしなければならないことが多いですが、朝から晩まで作業をしなければならない引っ越しの場合ですと、1日中バタバタしてしまうことになりがちです。

ところが、引越し業者が夕方以降から作業を開始して、翌日の早い時間に作業を終えることができる「夕積み」や「宵積み」を利用することで、さまざまな手続きも余裕を持っておこなうことができるわけです。

また、1日で引っ越しを終えるとなると、新居での立ち会いのために引越し業者と一緒に依頼者も移動するか、知り合いに立ち会いをお願いする必要がでてしまいます。

しかし、「夕積み」や「宵積み」であれば、時間的な余裕が生まれますので、自分で両方の立ち会いをすることはそれほど困難ではなくなります。

「夕積み」や「宵積み」を利用するときに知っておくべきデメリット

荷物を運び終えて空っぽになった部屋夕積みや宵積みのデメリットとして、オプション料金が発生してしまうといことは、これまで何度も述べてきたとおりです。

しかし、それ以外にも「夕積み」や「宵積み」をすることによるデメリットがあります。

それは、前日すべての荷物をトラックに積み込んでしまうと、翌日に転居先で荷解きをするまで使えなくなってしまうということです。

テレビや冷蔵庫、洗濯機といった家電はもちろんのこと、食器や布団など生活するために必要なものがない状態で、一夜を過ごさなければならないわけです。

家電品などは一晩くらいなくても何とかなるかも知れませんが、布団を積み込んでしまうと、硬い床の上で寝る羽目になってしまいます。

そうならないためには、荷物を積み込んだ日の夜に使うものだけはとりあえず残しておいて、翌日にその残した荷物だけをまた積み込む必要がでてきます。

つまり、積み込みが二度手間になってしまう可能性があるということです。

また、荷物の積み込みをしたあとの部屋というのは、けっこうホコリだらけになっていることが多いものです。

夜遅くの積み込みだったりすると、積み込んだあとの掃除もままならないことが多いので、ホコリだらけの部屋で寝ることになってしまう可能性があるわけです。

そういったことを避けるために、夕積みや宵積みをしたあとにホテルに宿泊するという選択肢もありますが、当然ながらホテル代という余分な出費が発生することになります。

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